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ウンカ猛威、稲作に打撃 24府県が警報や注意報

稲の養分を吸い取る害虫「トビイロウンカ」が猛威を振るい、西日本を中心に打撃をもたらしている。今年警報や注意報を出したのは24府県(10月時点)に上り、特に九州は2年連続の「不良」となった。専門家は早めの防除や品種の分散などの対策が重要と呼び掛けている。

トビイロウンカ=農研機構提供・共同

「玄米に色つやがなく、流通できないものが多い」。大分県日田市の農家、飯田隆さん(64)は10月に刈り取りを終えたコメの出来栄えを見て落胆した。大分県は10月末発表のコメの作況指数が九州で最低だった。飯田さんは周辺の農家から脱穀作業を請け負うが、依頼は例年の6割程度にとどまる。

大分県国東市で「トビイロウンカ」の被害を受けた田んぼ(9月)=同県提供・共同

トビイロウンカは梅雨に中国大陸から飛来し、増殖を繰り返す。大分県農業協同組合(JAおおいた)の日田支店によると、ウンカが例年より早く発生したことで対策が遅れ、稲が枯れる被害が拡大。夏の豪雨や日照不足も重なった。

大分県では、栽培されている主食用コメのうち約75%が「ヒノヒカリ」。県の担当者は「品種が偏り、リスクが分散できていない」と分析。県は今後、他品種の導入促進も含め対策を検討する。

農林水産省によると、2020年産の全国の作況指数は、10月調査では「平年並み」だった。米どころの北海道や東北、北陸で生育が順調なためだが、西日本は様相が異なる。九州はトビイロウンカの被害が広がった19年に続く「不良」。特に大分、福岡、佐賀の3県で不振だった。

作況指数が全国で最低だったのは山口県で、長門市では作付面積約1500ヘクタールのうち少なくとも約300ヘクタールで被害を把握。地元農協は10月下旬、経営難に陥っている農家への支援を市に要請した。このほか、京都府でも一部の地域で33年ぶりにトビイロウンカに対する警報が出た。

農水省によると、今年は大陸からのトビイロウンカの飛来が多かったうえ、高温少雨という繁殖に適した気象が重なり大量発生につながったという。

コメは新型コロナウイルスの影響もあり飲食店などの需要が低下し、価格の下落傾向が続く。九州の農業関係者からは「営農を続けるには厳しい状況」との声も上がる。

農業・食品産業技術総合研究機構の真田幸代虫害グループ長は「長期的にみて国内でのトビイロウンカの発生は増加傾向にある」と指摘。苗を育てる早めの段階で予防的に薬剤を使うことで被害を抑えられると話した。〔共同〕

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