/

コニカミノルタ、フィンランドの計測機器会社を買収

コニカミノルタは日本で遺伝子検査の拠点を新設する方針を示した(米アンブリーの拠点)

コニカミノルタは27日、光計測機器を開発製造するフィンランドのスペキム・スペクトラル・イメージングを買収すると発表した。可視領域から非可視の赤外線まで幅広い波長に対応する技術を持ち、リサイクルや食品分野などでの利用拡大を見込む。主力の事務機器の市場が縮小する中で、計測機器の事業拡大を加速する狙いがある。

中長期の経営戦略に関する説明会で明らかにした。スペキムは1995年の創業で、従業員数は68人、売上高は十数億円。12月に全株式を取得する予定だが、買収額は公表していない。

コニカミノルタはこれまで可視領域の計測機器を手掛けてきた。スペキムの買収で、可視光と非可視光を組み合わせて計測するハイパースペクトルイメージング(HSI)分野に参入する。

人間が赤、緑、青で可視光の色を見るのに対し、HSIは広範囲の波長を数十~数百に分割して捉えることができる。人の目を超えた高精度な判別や検査が可能となる。これまでは研究用途が中心だったが、今後は食品加工での異物の識別や資源探査など産業用途が広がる見通しだ。

亀沢仁司執行役は「スペキムと当社のアセットを組み合わせることで安心、安全、衛生の領域を拡大する」と述べた。HSI市場は年間15%ペースでの成長が見込まれている。コニカミノルタは2022年度に計測事業の売上高を20年度比29%増やす方針だ。

山名昌衛社長は22年度までの中期経営計画で、新規事業の収益改善や経営の柱となる事業の構築に取り組む方針を明らかにした。複合機を中心とした部門が営業利益に占める割合は19年度の49%から、29年度までに25%へ下げるという。

新規事業としてはサーバー搭載などIT機能を強化した事務機「ワークプレイスハブ」とヘルスケア、人工知能(AI)を使う画像処理の「画像IoT」を掲げた。22年度に最終損益ベースで20年度と比べて210億円の底上げを目指す。

ヘルスケア事業は早期診断と個別化医療に力を入れる。17年に買収した遺伝子検査会社の米アンブリー・ジェネティクスはRNA(リボ核酸)検査と組み合わせ、検査精度を向上させる。日本で遺伝子検査の拠点を新設する方針も示した。

遺伝子や病理、医療画像などのデータを匿名化しクラウド管理するプラットフォームの構想も明らかにした。データは製薬会社の創薬や臨床試験(治験)などに使う。

苦戦する複合機などのオフィス事業では固定費の削減やITサービスの売り上げ拡大で、複合機本体の販売や消耗品の落ち込みを補う。山名社長は「これからのオフィス事業は印刷する機能だけだと縮小する」と述べ、他社との調達の共通化や製造委託の活用を視野に入れていることを明らかにした。

(花田幸典)

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン