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成長株への長期投資で3億円 51歳で会社員卒業

幸せアーリーリタイアへの道(上)

写真はイメージ=PIXTA
本業以外の安定収入をつくるか、長い老後も安泰だと思える程度の資産を築くことができれば、勤務先が決めた「定年」に縛られる必要はない。好きなタイミングで会社を辞め、好きなことに打ち込める。そんな「経済的自立」を投資によって手に入れた人の生き方を3回にわたり紹介する「幸せアーリーリタイアへの道」。最初に登場するのは、株式投資で資産3億円を築き、51歳で会社員卒業を果たしたはっしゃんさん(ハンドルネーム)だ。

成長株への長期集中投資で資産を増やしてきた個人投資家のはっしゃんさん。サラリーマンを卒業したのは半年前の51歳の時だ。資産3億円到達を期に退職を決断した。

はっしゃんさんの家は大学生2人を含む3人の子と契約社員として働く妻の5人家族。今が一番お金の掛かる時期で、学費や仕送りを含めると、月々の生活費は90万円に達する。会社員時代は月給に妻の給与、副業、配当などを加えて家計を回していたが、現在は退職時に株式を現金化した5000万円を取り崩して生活費に充てる。「3億円あるので年1000万円使っても30年は暮らせる計算。将来の経済的な不安はない」という。

20代の頃に退職して起業することを意識

はっしゃんさんが早期退職を意識したのは20年以上前の20代の頃だ。当時はパソコンの勃興期で、米マイクロソフトを筆頭に新興ソフト会社が続々誕生、脚光を浴びていた。ソフト会社のエンジニアだったはっしゃんさんも「いずれソフト会社を興して上場させたい」という夢を抱いていた。

同じ頃、勤務先の持ち株制度で株式投資に出合う。その頃、思い付いたのがアプリのネット販売だ。アプリをネット上で公開し、多くの人に使ってもらえれば、起業・上場の夢を実現できるのではないか……。こう考えたはっしゃんさんはアプリを開発、ネットで販売を始めた。アプリは新聞でも紹介されるなど話題になり、一時は副業収入が給与をしのぐほどになる。3年後には副業の法人も設立、妻を社長に据えた。

資産1億円では仕事を辞められない

株式投資の方も、当時はまだマイナーだった小売りや外食の月次情報に着目した銘柄選別でお宝株を発掘する方法で着実に成果を上げていた。夫婦共働きで得た給与、アプリ販売の副業収入、そして株式投資の儲けで資産は着実に増え、36歳の時には資産1億円を達成する。

ただ、当時は、正社員を辞めていた妻と小さな子供を養っている状態。資産1億円では到底辞める気にはなれなかった。

その後、本業が忙しくなるにつれ、副業に手が回らなくなり副業収入は減少。ただし本業の給与が増えたので、家計全体の収入には影響なし。しかしアプリの販売で成功するという夢は遠のいていった。

一方、株式投資は東日本大震災やリーマン・ショックなどで資産を減らすたびに投資手法の見直しを重ね、理論株価で判断した割安成長株に長期かつ集中投資する方法で投資を独自に編み出す。

1億円達成から10年以上経過した49歳の時、株式評価額は2億円を突破した。そして、はっしゃんさんは20代から抱いてきた「アプリの会社を上場させる」という夢を実現すべく転職を決意する。転職先に選んだのは地元中堅企業のIT担当の仕事だ。

「前職では管理職になって久しく、最新の開発環境が分からなくなっていた。転職で年収は半分になったが、勉強時間を確保できるようになった」。その転職から2年後、資産は3億円を突破。はっしゃんさんはもう十分と考え、会社員を卒業、現在に至る。

振り返ると「もっと早く、気力も行動力もあった40歳前後で早期退職したかった」という思いもあるという。だが悲観はしていない。現在は株式投資も続けながら、ITスキルを生かしたアプリ事業の拡大策を練る毎日を送っている。

(本間健司)

[日経マネー2021年1月号の記事を再構成]

日経マネー 2021年1月号 会社員でもつくれる!老後資金1億円

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/11/20)
価格 : 820円(税込み)

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