弱いドル、理論値さらに安く 米「双子の赤字」膨張
米ドルの下落基調が続いている。主要通貨と比べた総合力の指数は3月の高値から約1割下がった。政府債務などの経済実態から計算する理論値は弱含む実勢の相場をさらに下回る。コロナ禍で手厚い経済対策に動き、先進国でも財政悪化が際立つことを映す。感染再拡大で停滞する経済の下支えに一段の財政出動も必要な状況で、ドル安が加速する可能性もある。
27日の東京市場で円相場は1ドル=104円前後で推移した。2019年...

日本経済新聞社と日本経済研究センターは、経済の実態に見合う外国為替相場である「日経均衡為替レート」を共同で算出しました。1月、4月、7月、10月の中旬に四半期ごとの値を公表します。
【算出の考え方】
為替相場が長い目で見れば経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)で決まるという考え方で四半期ごとの均衡レートを求めました。政府債務や対外純資産、内外金利差、交易条件、貿易財と非貿易財の価格比といった指標を変数にして、回帰分析の手法で推計しています。様々な組み合わせを試し、客観的にみて最良の推計式を採用しました。ドルや円、ユーロなど主要11通貨の「実効相場(様々な通貨に対する相対的な強さを示す為替相場)」を推計し、そのうえで各国・地域の貿易ウエートをもとに、2通貨間の対ドルレートに割り戻しました。
詳細な算出定義などは日本経済研究センターのホームページ(研究員報告、https://www.jcer.or.jp/research-report/20190927.html)をご覧下さい。
四半期ごとに算出する均衡レートは、計算の元となるファンダメンタルズ指標のデータ更新や修正にあわせて過去に遡って計算し直します。そのため過去の公表値と大きく異なる場合があります。