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「三菱とニッポン」が歩んだ150年 連載まとめ読み

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞
式典で記念写真に納まる(左から)三菱商事の小林健会長、三菱重工業の宮永俊一会長、三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行会長(24日午後、東京都港区)

三菱グループは2020年、創業から150周年を迎えました。24日には都内で記念式典を開き、三菱グループの主要企業の首脳・幹部などが参加しました。同日、記者会見した三菱創業150周年記念事業委員会の宮永俊一委員長(三菱重工業会長)は「各企業が社会の変化やグローバル化に適応している過程だ。大転換の中で新しい三菱グループができあがっていくと信じている」と述べました。

明治維新後、日本の産業の近代化を先導した三菱グループですが、令和に入り業績不振に陥る企業も少なくありません。デジタル化が進展し、低炭素社会に向けた動きが加速するなか、三菱グループは新時代でどのようなあり方を目指すのでしょうか。日経産業新聞の連載企画「三菱とニッポン」では歴史を振り返りつつ、将来を展望しました。

三菱とニッポン(1)


1877年(明治10年)ころの三菱幹部、岩崎彌太郎は前列左から2人目(三菱資料館提供)


 土佐藩の岩崎彌太郎が監督し、海運業を営む九十九(つくも)商会が設立されたのは、明治3年の閏(うるう)10月(1870年12月)。それから150年が経過した。三菱グループは日本に君臨し、世界に飛躍したが、足元では危機の沸点が迫りつつある。明治以来の繁栄を21世紀も継続できるか、新たな時代にのみ込まれてレガシー(遺産)集団に成り下がるか。今後10年が勝負の分かれ目である。

三菱とニッポン(2)


三菱重工は陸・海・空の各事業で逆風にさらされている


1884年創業の三菱重工業は造船を祖業とし、船舶向けの回転機の技術を軸に多角化を遂げ、日本の産業の近代化をけん引した。三菱グループの背骨として、「三菱」のブランドを世界で高めた。ただ、バブル経済崩壊後、年間売上高が約30年間にわたって3兆円前後をさまよう低成長が続くなど、日本の浮沈の姿とも重なる。民間ジェット機事業の迷走で創業以来の経営危機を迎えるなか、ビジネスモデルの転換が急務となる。

三菱とニッポン(3)


日本郵船創業当初の社船「横濱(はま)丸」=日本郵船歴史博物館所蔵


日本郵船は2020年、創業135年の節目を迎えた。三菱グループの源流事業である海運を担うが、三井系にもルーツを持つスリーダイヤでも珍しい存在だ。その生い立ち故か、グループの枠組みにとらわれない経済合理性を重んじた経営に徹してきた。コロナ禍の荒波のなか、ESG(環境・社会・企業統治)経営を新たな羅針盤に掲げ、自動運航技術や洋上風力で次世代を切りひらく。

三菱とニッポン(4)


創業期の尼崎工場(現関西工場尼崎事業所)


ガラスメーカーのブランドとして名高い「AGC」。2018年に旭硝子から社名をAGCに変え、名実ともにブランドを世界で統一した。祖業のガラス事業がコロナ禍で自動車や建築向けの需要減で苦戦するなか、新たな成長分野に果敢に投資する。創業者は難易度の高いガラス製造に不屈の精神で挑んだ。創業の精神を受け継ぎ、粘り強く新事業を育成できるかが再成長のカギを握る。

三菱とニッポン(5)


1907年に設立した「麒麟麦酒」の定款の第5条には「当会社の存立期間は設立登記の日より向こう100年とす」と書かれている


キリンホールディングスはビールを祖業として飲食料品や医薬品に多角化してきた。「三菱」の名を冠さないが、岩崎家、三菱合資会社、明治屋などが出資して「麒麟麦酒」が設立されたのは1907年。三菱グループで数少ないBtoCビジネスを担う企業でもある。日本のビール産業を切りひらいたパイオニア精神を受け継ぎ、「ヘルスサイエンス」と呼ぶ健康領域を新たに開拓する。

三菱とニッポン 関連インタビュー


三菱地所の吉田淳一社長


三菱地所が新型コロナウイルスの逆風を受けながらも都内の中心部で大型プロジェクトを相次ぎ打ち出している。三菱が長い歴史を刻んできた「丸の内」に日本一の超高層ビルを建設し、有楽町ではエンターテインメント関連のスタートアップや若者層を呼び込んで活性化につなげる。「選ばれる街」をつくる戦略を吉田淳一社長に聞いた。

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