原油先物の上昇一服 OPEC会合控え調整売り
国内の商品先物市場で原油価格の上昇が一服した。東京商品取引所のドバイ原油先物は27日の清算値(期先)が1キロリットル3万600円と前日比750円(2.4%)下がり、6営業日ぶりに反落した。新型コロナウイルスのワクチン実用化への期待を受けて8カ月ぶりの高値圏まで上昇していたが、この日は利益確定売りに押された。
石油輸出国機構(OPEC)にロシアなどを加えた「OPECプラス」は来週の会合で、来年1月に予定する協調減産縮小の先送りを協議する。だが有力産油国のイラクやアラブ首長国連邦(UAE)が先送りに後ろ向きな姿勢を示していると伝わった。協議が難航するとの思惑も浮上し、市場参加者が持ち高調整の売りを急いだ。
ニューヨーク原油先物価格は日本時間27日の電子取引で1バレル45ドル前後と、25日終値から1%以上安く推移した。豊トラスティ証券の大湖一樹チーフアナリストは「相場が上向けば米国のシェールオイルの供給も増えるため、上値を抑えられそう」と指摘する。