NTT東西、通話をAI分析 特殊詐欺被害を防止
NTT東日本とNTT西日本は27日、家庭で使う固定電話に接続することで特殊詐欺の被害を防げる端末を提供すると発表した。通話内容を録音しクラウド上で人工知能(AI)が解析。特殊詐欺の疑いのある場合は、家族に電話やメールで知らせる。高齢者の利用を想定し、NTT東西合わせて約2万件の契約を見込む。

NTT東西は「通話録音機能付き端末」の提供を30日に始める。高齢者などを狙った特殊詐欺の被害を防止する目的で開発した。NTT東西が提供する住宅用の固定電話とセットで販売する。月額利用料金は440円で、初期費用は端末の設置工事を含めると8800円、利用者側で端末を設置する場合は4400円。
端末は家庭の固定電話に接続して使う。通話内容を自動で録音し、クラウドに転送。クラウド上でAIが通話とリアルタイムで、単語と文脈を分析する。分析の結果、特殊詐欺の疑いがある場合は、事前に登録した家族に電話とメールで知らせる仕組み。分析は約1~2分で完了するという。
着信電話のほか、発信電話の内容も録音し分析する。事前に登録した家族などの電話番号との通話は録音の対象外に設定できる。
NTTグループは2019年から通話内容を分析して特殊詐欺を防ぐAIの実証実験を進めていた。NTT東西は今後、機械学習を通じて詐欺を判定するAIの精度を高めていく。
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