米最高裁、保守色強まる コロナ対策の礼拝制限違憲
【ワシントン=共同】米最高裁は25日、東部ニューヨーク州が新型コロナウイルス対策で、宗教施設での礼拝に集まる人数を制限した措置を違憲とし、差し止めを命じた。最高裁は5月と7月に同種訴訟で合憲と判断したが、トランプ大統領の指名で10月に加わった保守派バレット判事が違憲判断に回ったことで覆った。早くも保守色が強まったことを印象付けた。

ニューヨーク州のクオモ知事は10月上旬、感染拡大の状況に応じて礼拝人数を10人ないし25人に制限する措置を講じた。これに対し、カトリック教会とユダヤ教のシナゴーグが撤回を求め、提訴していた。
最高裁は「パンデミック(世界的大流行)のさなかでも憲法が忘れ去られてはならない。制限は多くの人の礼拝参列を禁じ、信教の自由を保障する修正第1条の核心部分に打撃を与えている」と指摘した。
最高裁は5月、宗教施設の礼拝に集まる人数を制限する西部カリフォルニア州の措置を合憲と判断した。この際の最高裁判事の構成は保守派5人、リベラル派4人だったが、保守派ロバーツ長官がリベラル派と共に合憲判断に回った。
現在はバレット氏を含む6人が保守派、3人がリベラル派。今回はロバーツ氏が再び合憲としたが、バレット氏が違憲と判断した。