ガソリン価格、10週ぶり上昇
卸値の引き上げ映す、需要は鈍く
資源エネルギー庁が26日発表した24日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は前週比0.6円高い1リットル133.1円だった。前週の石油元売り各社による卸値引き上げを受け、10週ぶりに値上がりした。

卸値は1リットル2.5円引き上げられたが、小売価格の上げ幅は限定的だった。新型コロナウイルスの感染再拡大による需要減で店頭価格を上げきれないスタンドが多い。石油連盟(東京・千代田)のデータから推計した11月15~21日の出荷量は約77万4500キロリットルと前年同期比16%少ない。回復傾向だったガソリン消費が再び落ち込み始めた。

その後の原油の調達コストは小幅な動きにとどまったため、元売り各社は今週、卸値を据え置くと系列の給油所に通知した。ガソリン価格を調査する石油情報センターは「卸値引き上げの転嫁遅れから来週も小幅に値上がりする」とみている。
ただ静岡県の給油所の店長は「再び販売数量が落ち込み、価格を上げられる状況ではない。今のところ赤字経営だ」と話す。また「11月の販売量は前年比1割少ない」(千葉県習志野市の給油所店長)との声もある。
地域別では、山口など35都道府県が値上がりした。値下がりは沖縄などの10県、長崎など2県が横ばいだった。最高値は大分の1リットル143.1円、最安値は宮城の同125.1円だった。
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