富山第一ホテル、21年3月営業終了 コロナで客数減

富山第一ホテル(富山市)が2021年3月31日で営業を終了する。運営会社の富山アメニティシステム(同)を傘下に持つGRN(富山県高岡市)が26日、発表した。富山市内ではホテル建設が相次ぎ、競争が激しい。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う売り上げの急減も重なり、継続は困難と判断した。
同ホテルのあるエリアでは再開発が計画されており、建物は周辺の開発に合わせて取り壊す。老朽化が進み、引き取り手もいなかったもようだ。ホテル部門の社員はGRNなどグループ会社に再配置する。工場内の食堂などを手がけるフードサービス部門は継続する。

110室を持つ同ホテルの10月の稼働率は60%程度まで回復した。ただホテルの売上高の5割を占める宴会部門の売り上げは前年実績を7割程度下回る。1~10月の売上高は約4億円と前年同期比で大幅なマイナスだ。
GRNは21年4月に物流業界などを対象とする人材派遣事業に参入する考えも明らかにした。稲垣晴彦社長は「アフターコロナを見据え、事業を再構築する」と話す。
富山第一ホテルは1982年に開業し、2008年から富山アメニティシステムが運営している。GRNは北陸コカ・コーラボトリング(高岡市)と双爽グループを形成し、飲料事業をメーンとする。ホテルとの相乗効果は薄かった。
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