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官製市場、限界見え隠れ アントは直前で上場延期

中国の証券市場が世界有数の規模に育つ一方、官製ゆえの限界も見え隠れする。最たるものは取引所がいったんは上場を承認したにもかかわらず、突如として新規株式公開(IPO)の延期に追い込まれたアント・グループの一件だ。

ジャック・マー氏の当局批判とも受け取れる発言は波紋を広げた(写真は2019年1月、スイス)=ロイター

「11月2日の聴取での馬雲(ジャック・マー)氏の発言内容が当局の意に沿わなかったらしい」。アリババ集団傘下の金融会社、アントを巡っては今も投資銀行の間で様々な噂が流れる。

マー氏が当局批判と受け取れる発言をしたのを契機に、かねて警戒してきた2兆1千億元(約33兆円)ものスマホ融資のリスク圧縮に動いたとの解釈が多い。習近平(シー・ジンピン)国家主席が自ら上場延期を指示したとの指摘まである。

当局は前後して金融会社の資本規制の強化に動いており、アントが従来通りの高成長を維持できるか不透明感が強い。上場延期は少なくとも半年に及ぶとの見方が多く、4兆円規模を目指していた調達額も下振れは避けられない。

中国は2012~13年や15年に新規上場が一時ゼロになるなど、相場低迷時に恣意的な市場運営をいとわなかった過去がある。信用取引への規制など、需給への直接的な介入に踏み切ることも度々だ。

新型コロナウイルスからのいち早い回復もあって資金流入は加速しているが、規制緩和は中国への投資を容易にする分野に集中しており、中国からの海外投資は強い規制が残る。人民元を巡る資本規制も緩和は進んでいない。上海や深圳を香港に劣らぬ金融センターに育て、海外の投資資金をとどめておくには、市場の透明性を高める取り組みが欠かせない。(上海=張勇祥)

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