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上海証取設立30年 株式公開の調達額、世界首位も

(更新)
上海証券取引所の開設以降、中国株は高騰と急落を繰り返してきた(1990年ごろ、上海市の証券会社)

【上海=張勇祥】上海証券取引所が26日、1990年の設立から30年を迎えた。2015年の中国株ショックを機に規制緩和を進め、デロイト中国によると1~9月の上海市場の新規株式公開(IPO)調達額は4兆円超と世界首位が視野に入る。香港経由の資金流入も深圳市場と合わせ18兆円に迫るが、当局の恣意的介入の余地は大きく残ったままだ。

26日、山東省の製薬会社、科興生物製薬がIPOに向け投資家の需要調査に入った。習近平(シー・ジンピン)国家主席の肝煎りで開設したハイテク企業向け市場、科創板に上場する。

科創板は19年7月の開設から1年4カ月で197社が株式を公開する。先行して手続きを進めている企業が複数社あり、科興生物製薬が200社目の上場企業になる可能性がある。科創板の時価総額は計3兆元(約47兆円)を超えている。

中華人民共和国が成立する直前、1949年6月に閉鎖した上海の株式市場が再開したのは90年12月にさかのぼる。上海証取の設立翌月にあたる。上場企業が限られる中で投資資金が殺到、92年5月には株価指数が1日で2倍に膨れ上がるなどバブルの生成と崩壊を繰り返してきた。

現在、上海証取には酒造大手で時価総額が30兆円を上回る貴州茅台酒のほか、国有銀行の中国工商銀行、国有石油の中国石油天然気(ペトロチャイナ)など1700社超が上場する。

科創板には中国では最先端の半導体を製造する中芯国際集成電路製造(SMIC)が「本土回帰」を果たすなど、顔ぶれも多彩になってきた。市場全体の時価総額は9月末で640兆円に達し、東京証券取引所と肩を並べる。

上海株の過去最高値は2007年10月。リーマン・ショック前年の世界的な株高にあおられ、上海総合指数は一時6124まで上昇した。26日の同指数は3300台と、最高値の6割に満たない水準にとどまる。約30年前の高値が遠い日経平均株価にも似ている。

それでも15年の中国株ショック後、16年1月につけた安値(2655)からは大きく回復している。背景には株安、人民元安、資本流出に危機感を覚えた習指導部が規制緩和に重い腰を上げたことが挙げられる。

17年に米指数算出会社のMSCIが中国株の組み入れを決めた際には、中国当局は同社の求めに応じ、資本規制の改善に取り組んだ。14年に始めた上海と香港間の株式相互取引は16年には深圳―香港間に拡大した。17年には債券にも相互取引を広げた。証券や資産運用業の参入規制も緩和するなど、投資資金の引き入れ策を相次ぎ打ち出した。

その結果、株式相互取引で1兆1千億元を上回る資金流入につながった。規制緩和と株式相場の回復はIPO市場の活性化も招いた。デロイト中国によると、20年1~9月の上海市場の調達額は4兆円超と米ナスダックの3兆4千億円を上回った。上海と香港で計4兆円規模とされた金融会社アント・グループの上場延期は痛手だが、同社抜きでも通年の世界首位を米ニューヨーク証券取引所などと争う可能性がある。

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