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九州・沖縄、芽吹く航空・宇宙ビジネス

九州・沖縄経済特集

九州・沖縄では宇宙ビジネスや航空機産業の新たな波頭をとらえようとする動きが相次ぐ。

大分県は米社と提携し、大分空港(大分県国東市)を航空機を使った衛星打ち上げ拠点にすることを目指す

大分県は大分空港(大分県国東市)を、航空機を使った人工衛星の打ち上げ拠点にしようとしている。米ヴァージン・オービット(カリフォルニア州)と4月に提携。早ければ2022年の打ち上げを目指す。構想推進のため、広瀬勝貞知事を本部長とする庁内組織「スペースポート推進本部会議」も立ち上げた。

「今後力を入れたい宇宙産業に手が伸びることは大きい」と広瀬氏。九州工業大学がデンケン(由布市)を含む県内4社などと開発・製作した超小型衛星「てんこう」は、18年に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。大分県には鉄鋼や石油化学、自動車、半導体などの産業集積があるが、今後は宇宙関連産業の創出・育成も加速したい考えだ。

宇宙飛行機の開発スタートアップ、PDエアロスペース(名古屋市)は、沖縄県宮古島市の下地島空港を宇宙旅行の拠点にする事業を進める。飛行機型の宇宙船を開発し、格納庫などを整備する。滑走路から離陸し、宇宙空間まで上昇。無重力状態を体験して地上に戻る。アジアに近い立地も生かして国内外の富裕層を取り込み、25年度に100人規模での実現を目指す。

同空港は航空各社がパイロット訓練場として使っていたが、撤退が相次ぎ管理する県が活性化策を探っていた。宇宙旅行事業は新たな観光コンテンツになり、次世代技術が集積することへの期待が大きい。

QPS研究所の小型衛星の初号機

九州大学発ベンチャーのQPS研究所(福岡市)は早ければ12月にも小型衛星「イザナミ」を米国で打ち上げる予定だ。19年12月に小型衛星「イザナギ」のインドからの打ち上げに成功しており、2基目となる。

人工衛星は約20の九州企業と共同で開発・製造した。マイクロ波を使うことで、地球が雲に覆われていても人や車の動きなどを1メートル単位で観測できるのが特徴。QPSは24年までに36基体制で観測できるようにすることを目指している。

「カスケード」はエンジンのジェット気流の流れを逆向きに変え、補助ブレーキの役目をする(宮崎日機装の実物大模型)

航空機部品や特殊ポンプ製造の日機装は、航空機部品などの国内生産を、宮崎市にある子会社、宮崎日機装への集約を進めている。

日機装は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)加工で優れた技術を持ち、航空機エンジンの部品である「カスケード」の世界シェアは90%以上。欧州エアバスと新しい製法・新素材の共同研究も始まり、宮崎には「マザー工場」の役割を持たせる方針だ。

基幹産業の造船が苦境に陥る長崎県では、航空機産業への期待が高まる。三菱重工業のグループ会社で航空エンジン部品を製造する三菱重工航空エンジン(愛知県小牧市)は、心臓部ともいえる「燃焼器」の工場を長崎市内で稼働させた。

投資額は80億円。主にエアバスの主力小型機「A320neo」向け部品を生産する。同機は主に国内線向けで、新型コロナウイルスによる受注状況への影響は最小限に抑えられているという。本格稼働時の売上高は100億円を見込む。

ウラノは長崎の三菱新工場からの受注を目指す(長崎県東彼杵町)

県内に航空機部品の工場を構える金属加工のウラノ(埼玉県上里町)は、エンジン部品の加工後の表面処理などの工程を長崎県内企業を中心に委ねる。従来は県外企業に任せていた。小林正樹副社長は「チャンスがあれば長崎の三菱新工場からも受注したい」と意気込んでいる。

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