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トランポリン代表の森・堺、鈍った試合勘と格闘

コロナ禍による東京五輪延期と実戦のブランクは、代表内定選手の調整に大きく影を落としている。10月31日~11月1日に三重県四日市市で開催されたトランポリンの全日本選手権で、女子の森ひかる(21、金沢学院大ク)は8位、男子の堺亮介(23、バンダイナムコアミューズメント)は予選敗退に終わった。

全日本選手権で8位にとどまった森ひかる。世界女王もブランクの影響で実力を発揮しきれなかった=共同

「しっかり仕上げないといけない、と頭でわかっていても体がうまく動かなかったり、いい集中ができなかったりした」。森は涙ながらに調整の難しさを振り返った。国内外の試合の中止や延期が相次ぎ、全国規模の大会は今年初めて。鈍った試合勘を取り戻すのは容易でなかった。

昨年の世界選手権では森が個人で日本選手初の金メダルを獲得。堺も5位入賞を果たし、そろって東京五輪代表に内定した。2人の飛躍の土台にあったのは安定感。着地がずれて台からはみ出た時点で演技が終わる繊細な競技にあって、10本の跳躍を中央付近にまとめる正確性が光った。

ところが約1年ぶりの公式戦の今回、堺は予選の2度の演技をいずれも失敗して演技中断。森も準決勝までは無難にまとめたが、決勝で5本目の跳躍が横にずれて演技を続けられなかった。

失敗の原因について日本体操協会の中田大輔・トランポリン男子強化本部長は跳躍の際の手の位置に原因があると解説する。「3センチでも前にずれたら3メートルずれて跳んでしまう。その微妙なコントロールまで行き届かないのは、コロナ期間に練習量が足りず戻しきれなかったという印象がある」

五輪内定は維持されているとはいえ、次にいつ試合ができるかわからないまま過ごす日々はアスリートにとってつらいもの。「いざ練習するとなると身が入らない状況が続いた。何を目標に取り組めばいいのかと、毎日の練習がすごく苦しかった」と堺は振り返る。

コロナに振り回された1年だが、来年への準備も怠ってはいない。堺は4月に石川県から都内に拠点を移し、ロンドン、リオデジャネイロ五輪代表だった伊藤正樹コーチの下でジャンプの高さ向上に手応えを得ている。

森も高難度の3回宙返りを1本から2本に増やす「五輪仕様」の演技構成に取り組む。以前の難度点は14点台前半だったが、丸山章子・女子強化本部長は「世界のトップクラスは14点台後半から15点台。五輪に向けて全力で仕上げていきたい」と、モデルチェンジの途上にあると語る。

あくまで本番は来夏。森は「練習で完璧なものをつくらないと重圧がかかる舞台ではしっかり演技できないと学んだ。また頑張りたい」と前を向いた。(本池英人)

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