トランプ氏、元側近フリン氏に恩赦 批判必至
(更新)

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は25日、トランプ政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたマイケル・フリン氏を恩赦したとツイッターで明らかにした。野党・民主党やメディアから権力を乱用し、元側近を不当に守ったとの批判が出るのは確実だ。
トランプ氏は「フリン氏と彼の素晴らしい家族よ、おめでとう。(26日は)本当にすばらしい感謝祭になる!」とツイッターに書きこんだ。ホワイトハウスは25日の声明で、恩赦の理由について「起訴されるべきではなかったからだ」と説明した。
米メディアによると、トランプ氏はフリン氏以外にも恩赦を計画しているという。大統領選で民主党のバイデン前副大統領の当選が確実になり、大統領の任期中に駆け込みで恩赦を連発する可能性がある。トランプ氏の任期は2021年1月20日に終わる。
フリン氏は16年の大統領選でトランプ氏の選挙陣営に参加。大統領補佐官に起用されたが、政権発足前に駐米ロシア大使と接触し、米国の対ロシア制裁に関して協議した。フリン氏はこの協議をめぐり米連邦捜査局(FBI)に偽証したとして、17年12月に起訴された。当初は有罪を認めて捜査に協力する司法取引に応じたが、のちに撤回して無罪を訴えてきた。
司法省は今年5月、裁判所にフリン氏の起訴撤回を申請した。有罪を一度認めた人物の起訴を取り下げるのは異例だ。裁判所はこれまで取り下げを承認していなかった。