バイデン氏「マスク着用を」 感謝祭前に呼びかけ
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【ワシントン=中村亮】米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は25日、地元デラウェア州での演説で「マスク着用は米国人としての愛国的な責務だ」と述べた。26日の感謝祭から人の往来が急増することを踏まえ、新型コロナウイルス対策を国民に促した。
バイデン氏はコロナとの闘いを「戦争」と表現し「米国は負けない」と強調した。「それぞれが生活の中でウイルス抑止のために可能な措置を行う責任がある。すべての決断が重要であり、命を救う」とも語り、国民に協力を求めた。国民の結束を訴える演説は「次期大統領」としての存在感をアピールする思惑もありそうだ。
バイデン氏は政権移行を着実に進める。政権移行チームは25日、バイデン氏が政府から安全保障の機密情報を含むブリーフィングを30日に受けると明らかにした。バイデン氏はトランプ大統領と同等の機密にアクセスできる。移行チームはすでに50以上の省庁や政府関連機関などと接触し、業務や現状に関する説明をオンラインで計30回以上受けたという。
一方、トランプ氏は25日、ツイッターで「仕組まれた選挙!」と書きこんで大統領選での敗北をなお認めなかった。東部ペンシルベニア州の議会が開いた大統領選に関する公聴会に電話で参加し「選挙をひっくり返すべきだ」と主張。選挙不正を何度も指摘し、再選に向けて法廷闘争を続ける構えを見せた。同州は24日、バイデン氏の勝利を公式に認定した。
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