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公務員に忠誠義務 香港行政長官、民主派締め付け

25日、施政報告を終え記者会見に臨む林鄭月娥・行政長官

【香港=木原雄士】香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は25日、立法会(議会)で施政方針演説にあたる施政報告をした。公務員に香港政府への忠誠を義務付ける手続きを明確にし、議員の資格剥奪に関する条例改正案を2020年中に提案すると表明した。

林鄭氏は19年に始まった大規模デモを念頭に「香港は中国返還後、最も深刻な政治的課題に直面した」と述べた。「優先事項の一つは政治システムを混乱から回復させることだ」とし、6月末に施行した香港国家安全維持法で「社会が安定を取り戻した」と強調した。

香港政府は今月、中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の決定を受け、立法会の民主派4議員の資格を剥奪した。香港基本法は議員や裁判官に就任時の宣誓を義務付けるが、違反した場合の処分などは定めていない。条例改正で明確にする。公務員にも忠誠を誓う文書への署名を求める。

林鄭氏は「外国政府や議会が香港への干渉を強め、国家の安全を脅かしている」との見方も示した。国家安全に関する教育を拡充し、反中的な勢力の排除を目指す。教育現場への介入などで、香港の特徴だった言論の自由が損なわれる懸念が高まっている。

立法会で演説する林鄭月娥・行政長官(25日、香港)=AP

デモや新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済の立て直しでは、中国頼みの政策が目立った。香港と広東省、マカオを巨大な経済圏に見立てて一体開発する大湾区構想への全面協力を表明した。香港人を本土で雇用する企業に補助金を出し、2000人の雇用を創出するとした。

中国本土との株式相互取引では、上海のハイテク企業向け市場「科創板」上場企業も対象に加える考えを示した。市場の一部では、香港に上場するアリババ集団など米国との重複上場企業も加えるとの観測があったが、言及しなかった。

日本や中国など15カ国が署名した東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)への早期加入を目指す意向も表明した。

施政報告は行政長官が年に1度、市民に重点政策を示す。林鄭氏は「中国政府の経済支援策を盛り込む必要がある」とし、10月の予定を直前に延期した。今月上旬に北京を訪問し、政府高官らと経済政策を協議した。

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