関電の高浜原発、運転40年超 再稼働に期待と課題

関西電力の高浜原子力発電所(福井県高浜町)1、2号機が再稼働に向けて一歩前進した。高浜町議会が25日、再稼働への同意を正式決定した。運転開始から40年を超える原発に対する地元議会の同意は全国初で、稼働すれば関電の業績にも貢献する。一方、福井県知事による同意の動向など、先行きには依然として不透明感が漂っている。
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関電は、運転40年超の原発3基で再稼働を目指している。理由の一つは、火力発電に比べ発電コストを抑えられる点にある。高浜原発が稼働すれば1基当たり月25億円程度の費用を圧縮できる。新型コロナウイルス禍などを背景に収益が落ち込むなか、コスト削減は業績の安定につながる。
加えて、多くを輸入に頼る化石燃料を使わない点や、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない点も重視。原発をバランスの取れた電源と位置付け、東日本大震災後に高浜3、4号機など計4基を再稼働してきた。町議会の決定を受け、関電は同日、「引き続き、40年以降の運転の必要性や安全性などを理解いただけるように努める」とのコメントを出した。
今後は町長や県議会、県知事の同意が必要になる。福井県の杉本達治知事は同意の前提として、使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、県外の候補地を年内に示すことを求めている。この要望に関電側が応えられるかが焦点になりそうだ。