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佐渡汽船に新潟県など支援 計14億円で債務超過回避へ

新型コロナウイルスの影響で経営が悪化している佐渡汽船に対し、新潟県などが行政支援に乗り出す。2020年12月末の債務超過回避に向け、県と佐渡市、上越市は計14億円の支援を決めた。各自治体は佐渡汽船に引き続きの経営改善を求めていくが、需要の本格回復はいまだ見通せていない。

経営改善のために売却手続きを進めている高速カーフェリー「あかね」

「現在のままでは今後の事業継続が危ぶまれる大変厳しい状況。県としてもなんらかの支援が必要だと考えた」。新潟県の花角英世知事は25日、佐渡汽船への行政支援を決めた理由についてこう述べた。

県は同日、一般会計総額で13億円の12月補正予算案を発表した。このうち「佐渡航路事業継続支援」として約9億円を計上する。財源は国の新型コロナ地方創生臨時交付金を活用する。佐渡汽船への支援ではこのほか、県が感染症拡大防止対策事業として1億5000万円、佐渡市が3億5000万円を支出する。上越市の支援額は決まっていないが、総額14億円となる見通しだ。

新型コロナの影響で観光客や帰省客が減少し、佐渡汽船の経営は危機的な状況に陥っている。20年12月期の連結売上高は、前期比37%減の72億円、最終赤字は過去最大の38億円(前期は7億6900万円の赤字)を見込む。

佐渡汽船では経営改善策として、役員報酬の減額や連結子会社の完全子会社化契約の締結などを実施してきた。しかし、こうした手を打ってもなお、現状のままでは12月末に単体で24億円の債務超過に陥るとみられる。今回の14億円の行政支援に加え、劣後ローンで金融機関から10億円を資金調達し、債務超過の回避を目指す考えだ。

しかし、今期の債務超過を回避できても、先行き厳しい状況は続く。佐渡汽船の尾崎弘明社長は21年12月期の収支見通しについて「現在のコロナの状況をみると、来年度前半までは影響が出る」とみる。21年12月期の収支改善に向けては、高速カーフェリー「あかね」の売却や、燃料油価格変動調整金の改定を実施する。21年4月から貨物運賃の10%値上げも検討している。

花角知事はこうした佐渡汽船の取り組みについて「やれるだけの経営改善計画を作っている」と評価する。離島航路の維持のため大幅な減便や船員削減が難しいなか、県としては国の補助金を活用し最大限の支援をしていく考えだ。

佐渡汽船の輸送量は新型コロナ以前から減少傾向にあり、この数年赤字体質が続いてきた。コロナをきっかけにメスを入れる形となったが、その場しのぎの対応で終わっては同じ事の繰り返しになってしまう。「公共性」という言葉にあぐらをかかない、一層の自立した経営が求められている。(斉藤美保)

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