米環境保護局長官、12月の台湾訪問が急きょ延期に
【台北=中村裕】米国のアンドリュー・ウィーラー環境保護局(EPA)長官が12月初旬に予定していた台湾への訪問が急きょ、延期となった。台湾の外交部(外務省)は25日、「スケジュール変更で、年内には台湾訪問が実現できなくなった。非常に残念だ」との声明を発表した。

ウィーラー氏の訪問は中国が反発するなか、12月5日ごろから3日間で予定されていた。国内での優先事項があり、予定を延期するという。ただEPA側は、米紙の報道が先行し、同氏の訪台が予想以上に早く公になったことを指摘し、外交に影響を与えたと批判した。ウィーラー氏の訪問が今後いつになるかは明らかにしていない。
一方、米紙はウィーラー氏の訪問は政権交代直前で、多額の公費が無駄になる可能性を指摘し、訪台を問題視する記事を掲載していた。
外交部は「今後もバイデン次期政権と協力し、米高官の台湾訪問を促進する」とコメントした。
米国からは最近、高官の台湾訪問が相次ぐ。中国が反発するなか、8月にはアザー厚生長官、9月にはクラック国務次官が訪台した。22日には、米インド太平洋軍のマイケル・スチュードマン情報司令官が台湾を訪問したことも分かっている。