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養命酒や龍角散、天然素材で抗ウイルス作用研究

養命酒製造が研究するクロモジの枝の部分
NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

養命酒製造や龍角散(東京・千代田)がクロモジや茶といった天然素材の成分に着目し、大学と連携して研究を進めている。一定の条件下で抗ウイルス作用を確認した。天然素材は自社の食品に配合し、効能はうたえないものの、研究結果を通じて天然素材に対する理解促進につなげる。

養命酒製造は信州大学農学部(長野県南箕輪村)との共同研究で、インフルエンザウイルスが培養細胞に吸着して侵入することをクロモジエキスが防ぐという研究成果を得た。クロモジは日本の山地に自生するクスノキ科の落葉低木。和菓子のつまようじ材などに使われる。

培養細胞にインフルエンザウイルスを感染させてクロモジエキスを加えたところ、加えなかった場合に対してウイルスRNA量(ウイルス増殖の指標)が99.5%少なかった。クロモジエキスを細胞に投与後、19時間たっても抗ウイルス性は持続するといい、今後は新型コロナウイルスについて研究機関と提携し、同様の研究を検討している。

同社と研究に取り組む信大の河原岳志准教授は「クロモジエキスは防御力を持続しやすい点が特徴。食品への利用で、日常的に使える可能性がある」と話す。

9月に発売した「養命酒クロモジのど飴(あめ)」にはクロモジエキスを配合。研究内容を販売促進などの際に紹介して、クロモジの知名度を高めている。栽培技術についても、駒ケ根工場(長野県駒ケ根市)の敷地内に20年春からおよそ5000株を植えて、異なる環境での育成の違いを調べている。

龍角散は抗ウイルス剤を手掛ける長崎大学発スタートアップのAVSS(長崎市)と提携し、小豆や茶に含まれるオリゴ糖とポリフェノールがインフルエンザウイルスの感染予防に対する効果を非臨床試験で確認した。2種類の成分がそれぞれ、インフルエンザウイルスが細胞に感染することを防ぎ、同時に摂取すると効果が高まるという。

AVSSは長崎大学感染分子薬学研究室の研究成果などをもとに創業し、4年前から龍角散と提携。龍角散はAVSSに研究員を送り、のどの症状に関する共同研究を進めてきた。

龍角散が発売したタブレットは長崎大発スタートアップとの研究をPRしている

小豆と茶に含まれる健康成分は、このほど龍角散が発売した清涼菓子「龍角散ののどすっきり桔梗(ききょう)タブレット 抹茶ハーブ味」に配合した。

龍角散の藤井隆太社長は「AVSSの先端研究を食品の形で手軽に手に取れるようにしたかった」として、「すでに海外からの引き合いもあり、健康保険の充実していない国や地域でも貢献したい」と食品を通じた天然素材のPRに力を入れる考えだ。

(企業報道部 茂野新太)

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