「ウイグル族迫害」と懸念 ローマ教皇、中国は反発
【ローマ、北京=共同】ローマ教皇フランシスコが12月1日に発売される本の中で、中国新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族について「迫害されている」と言及していることが24日までに分かった。ロイター通信が報じた。教皇によるウイグル自治区の人権状況への懸念表明は初めてとみられる。中国外務省は「全く根拠がない」と反発した。

教皇は「私はよく迫害されている人々のことを考える」と述べ、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャやイラクのクルド民族少数派ヤジド教徒と併せ、ウイグル族を例として挙げたという。
中国外務省の趙立堅副報道局長は24日の記者会見で、教皇の懸念表明を非難。ウイグル族を含む各民族の「信仰の自由は法に基づいて保障されている」と主張した。
ローマ教皇庁(バチカン)は10月に中国との司教任命問題を巡る暫定合意を延長したばかり。教皇は香港情勢への言及を避けるなど、中国への弱腰な態度が批判されている。