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「皇女」創設を政府検討 女性皇族、結婚後も公務

「立皇嗣宣明の儀」に臨む皇族方(8日、皇居・宮殿「松の間」)

政府は皇室の公務の負担軽減策として、女性皇族が結婚した後も公務を続けてもらう制度の創設を検討する。特別職の国家公務員と位置づけ「皇女」の称号を贈る案がある。女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設は女系天皇の容認につながるとして当面見送る公算が大きい。

現行の皇室典範は女性皇族が一般男性と結婚した場合、皇族の身分を離れると規定する。現在、女性皇族13人のうち未婚なのは天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまら6人いる。結婚で皇籍を離れることが増えれば公務を分担できる皇族が減り、1人当たりの負担が増す恐れがある。

加藤勝信官房長官は24日の記者会見で「女性皇族の婚姻などによる皇族数の減少は先延ばしできない重要な課題だ」と述べた。「様々な考え方があり、国民のコンセンサスを得るには十分な分析と慎重な手続きが必要だ」とも語った。

政府が検討するのは、結婚で女性皇族が皇籍を離れた後も、国家公務員として公務を担ってもらう制度となる。皇室典範の規定は維持したまま、新たな制度を導入する案が有力視される。

皇族数の減少に対応し、公務の担い手を確保しやすくする狙いがある。政府は担い手として愛子さまのほか、秋篠宮さまの長女眞子さま、次女佳子さまを想定する。

自民党は天皇の血を引く男系男子による継承を重視し、女性・女系天皇への慎重論が根強い。政府が検討する新制度は女性・女系天皇の是非を問う議論に結びつかないため、保守派らの賛同を得やすいとの見方がある。

女性皇族の結婚後に皇室活動を続けてもらう案は旧民主党政権でも議論した。政府が2012年10月に公表した論点整理は女性皇族が皇籍離脱後に国家公務員として皇室活動にかかわる方策について「検討に値する」と評価した。

旧民主党は現在の野党第1党の立憲民主党や国民民主党の前身にあたる。新制度の導入に向けた議論などで、野党の理解を得やすいと見る向きもある。

天皇だった今の上皇さまの退位を実現する皇室典範特例法は17年に成立した。付帯決議で「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」を重要な課題と明記した。特例法施行後に速やかに検討し「結果を国会に報告する」よう盛り込んだ。

政府内には女性宮家の創設は先送りすべきだとの声が多い。女性皇族と一般男性の間に生まれた子は皇位継承の対象となる「男系男子」ではなく「女系」となり、議論が女性・女系天皇の是非に及ぶ可能性がある。

創設に慎重な保守派の一部には戦後に皇籍を離脱した旧宮家の子孫のうち男系男子を皇族に復帰させたり、養子に迎えたりして男系を維持すべきだとの声がある。

政府高官は「女性宮家の創設は男系か女系という話になる」と指摘する。新型コロナウイルスの感染拡大などを踏まえ「静かな環境で議論できる雰囲気ではない」とも話し、皇位の安定継承を巡る議論が本格化するのは年明け以降になるとの見方を示す。

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