脱炭素やICT先進地に 熊本県、豪雨復旧復興プラン
熊本県は24日、7月の豪雨で氾濫した球磨川流域の復旧・復興プランを発表した。住民の安心・安全と球磨川の清流の両方を守ることを基本に、抜本的な治水対策や地域防災力の向上など、ハード・ソフト両面で治水対策に取り組む。県球磨川流域復興局は「工程表はできるだけ早い時期に示したい」とした。

同プランは同日開いた県の7月豪雨復旧・復興本部会議で了承した。県の有識者会議(座長・五百旗頭真兵庫県立大理事長)の提言も参考に作成した。具体的には河道掘削や堤防整備など、来年の梅雨までに実現させる緊急対策のほか、流域の住民や事業者の支援、災害に強い通信回線網の構築などを急ぐとした。
長期戦略としては、流域での人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)を活用したスマートビレッジの実現、再生可能エネルギーの導入推進による脱炭素の先進地にすることも掲げた。本部会議で蒲島郁夫知事は「日本の流域治水のモデルケースになる」と話した。
蒲島知事は19日、球磨川支流の川辺川に流水型のダム建設を容認することを表明し、国にダムを含めた流域治水の実現を要請した。県は国や流域自治体と協議を進め、2021年3月末までに流域治水の具体策を公表する予定だ。