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生保14社、4~9月期の新契約42%減収 対面営業自粛で

生保各社の新契約は減っている(写真は記者会見する日本生命保険の朝日智司取締役)

新型コロナウイルスの感染拡大が生命保険営業を直撃している。24日に出そろった主要生保14社の4~9月期の新規契約の保険料収入(新契約年換算保険料)は、前年同期比42%減の約5000億円だった。対面営業が難しくなっており、デジタル化を通じたビジネスモデルの見直しを迫られている。大手4社の利益を下支えしてきた海外事業も2ケタの減益だった。

「コロナ禍前の営業環境に戻ることはない」(日本生命保険の朝日智司取締役)。24日に会見に臨んだ生保各社の役員は一様に厳しい表情を浮かべていた。主要生保14社の4~9月の新契約年換算保険料は、T&D、朝日と損保系生保2社を除く10社が2ケタの減収幅になった。

生保各社の新契約年換算保険料は増加基調をたどっていたが、19年4~9月期に利率の低下や税制の見直しで外貨建て保険と経営者向け保険の販売が激減したのを機に3割の減少に転じた。2020年度上期は2年連続で3~4割の大幅減収となった。

生保各社の収入を下押ししたのは新型コロナ禍に伴う対面営業の自粛だ。特に日本生命保険と第一生命ホールディングス(HD)は営業自粛に伴う営業職員への補償を9月まで継続。両社の新契約年換算保険料の減少幅はそれぞれ44%、53%に達した。中堅生保でも軒並み対面営業自粛の影響が直撃した。

生保大手の成長を支えてきた海外事業にも逆風が吹く。海外展開を進めてきた大手4社(日本、第一、明治安田、住友)の海外主要子会社の本業のもうけを示す基礎利益は前年同期比15%減の763億円となり、海外事業を各社が強化し始めた16年4~9月期以来の低水準に落ち込んだ。コロナ禍に伴う保険金支払いの増加などが影響した。「楽観はできない状況」(住友生命保険の角英幸執行役常務)という。

生命保険会社の収入の大半は既存の契約から得られる保険料でまかなわれ、既存契約で支えられた生保各社の業績は足元で底堅い。明治安田生命の基礎利益は有価証券の償還益で微増の3129億円、第一生命HDも投信の分配金増で7%の増益だった。日本生命、住友生命もそれぞれ5%、3%の減益にとどまった。

ただ、新規契約の激減が続けば、海外事業も伸び悩む中で今後の利益への影響は避けられない。運用を含め、「市場変動などのリスクは高まっている」(第一生命HDの瓜生宗大常務執行役員)という見方が強い。

各社は既存の契約から利益が得られるうちにコロナ禍に対応した事業の見直しを急ぐ。日本生命は傘下のはなさく生命保険を通じて21年度にネット販売に参入。第一生命HDも近く、新設する少額短期保険会社などを通じてネット完結型の保険を売り出す。

もっとも「生保は営業することで売れる商品。今後も対面での営業が主流になる」(生保大手幹部)との声も根強い。単純なネット販売の参入にとどまらないコロナ禍に適応した事業変革の巧拙が、今後の生保各社の競争力を左右する。

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