富士ゼロックス、中小のIT業務を一括受託
富士ゼロックスは24日、中小企業からIT(情報技術)関連業務を一括受託するサービスを始めたと発表した。IT戦略の立案や運用・管理、障害発生時の対応などを請け負う。中小企業はIT人材の不足が深刻で、ITの活用が後手に回っている企業が多い。富士ゼロックスは一括受託で中小企業のIT化を支援する。2023年までに累計1000件の契約の獲得を目指す。
新サービスでは、富士ゼロックスのバーチャル最高情報責任者(CIO)がまず、システム構成や運用ルールなどを把握し、IT成熟度を評価するリポートを作成する。課題を明確にした上で、ITの導入や改善などの戦略を立案する。
バーチャルITマネジャーが日々のシステムの運用・管理を担当し、運用状況を定期的に報告する。社員からの問い合わせ窓口や24時間体制でシステムを遠隔監視するサービスも提供する。障害の発生時は遠隔から復旧作業をする。料金は月額制で、その都度見積もりで決める。
オーストラリアにある富士ゼロックスの関連会社は、すでにオセアニアで同様のサービスを展開しており、導入企業は500社を超えているという。IT導入による改善事例や障害対応などのノウハウを日本で活用する考えだ。
情報処理推進機構によると、日本では従業員300人以下の企業のうち、88%がIT管理者を置いていない。そのためIT活用の戦略がない企業が多い。
これまでもシステムの遠隔監視や障害対策などのサービスはあったが、企業がどのサービスを組み合わせるか、判断する必要があった。新サービスを活用すれば、戦略立案から運用まで一括で外注できる。(花田幸典)