/

この記事は会員限定です

キャッシュレス決済 工夫次第でポイント上乗せも

キャッシュレス決済(下)

[有料会員限定]

キャッシュレス決済の話題で盛り上がった筧家。テーブルでは幸子と良男が夕食後のお茶を飲んで一息ついています。そこへ、タブレット端末で何やら調べていた満が良男に話しかけました。「そもそも、どうしてキャッシュレス決済の利用は増えているの?」

筧(かけい)家の家族構成筧幸子(48)良男の妻。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ。筧良男(52)機械メーカー勤務。家計や資産運用は基本的に妻任せ。筧恵(25)娘。旅行会社に勤める社会人3年目。筧満(15)息子。投資を勉強しながらジュニアNISAで運用中。

 インターネットで検索すると政府が利用を促進しているのはわかったけど、僕は根本的な理由が知りたいんだ。

幸子 消費者庁の2019年12月の調査によると、キャッシュレス決済を利用する理由で最も多かったのは「割引やポイントなどの特典」。「支払いが簡単・迅速」や「現金を持ち歩かないですむ」も多かった。現金を持ち歩いて支払うよりも便利でお得だということね。

良男 なるほど。具体的には何が便利なんだろう。

幸子 現金を持ち歩かずにすむ点じゃないの。ATMで現金を引き出す手間が省けるし。手持ちの金額以上の買い物ができる。現金の紛失や盗難の心配もしなくてもよくなるでしょ。万が一、紛失したり盗まれたりしても運営会社に連絡して利用停止すれば損害も防げるし。

 手軽に支払えるというのもあるよね。

幸子 現金なら紙幣や硬貨を数えて渡し、おつりも受け取る必要があるけど、キャッシュレス決済だとおつりが出ないから、現金をやりとりするより短時間ですむから楽だよね。パソコンやスマートフォンで利用履歴を確認できるので、現金よりも支出を把握して管理をしやすいと感じる人も多いみたい。

良男 お店側の利点は?

幸子 おつり用の現金を準備するなど現金管理の手間が減るし、お客さんの購入を促しやすくなるという面もある。現金だと手持ちだけでは足りなくて購入を諦めることがあるけど、キャッシュレス決済なら支払えるからね。クレジットカードのように、分割払いやボーナス払いなど一時的には預貯金以上の買い物ができる方法もある。

良男 最近では公的支払いにもキャッシュレス決済が使えるらしいね。

幸子 自治体の窓口や金融機関の店舗などを訪れる必要がなく、パソコンやスマホで24時間いつでも手続きできるといった利便性の高さから、導入例が増えているようね。例えばクレジットカードは手数料が別途かかるところもあるけど、国税や国民年金保険料に加え、地方税などでも受け付ける自治体が増えているみたい。コード決済では「請求書支払い」というサービスで、請求書に表示されたバーコードを読み取って支払えるの。

 よく利用額に応じてポイントがもらえてお得って聞くけど、何に使えるの?

幸子 ポイントを色々なものに交換できるのが一般的ね。家電製品や食料品といった商品や商品券のほか、航空会社のマイルや他社のポイントに換えられるものが多いかな。電子マネーやコード決済の入金(チャージ)や、クレジットカードの請求額からポイント相当額を差し引けるものもある。使えるお金が増えるのと同じね。

 通常より多くポイントをもらう方法があるんだってね。

幸子 よく知られているのが、二重取りなどと呼ばれる方法ね。電子マネーやコード決済にクレジットカードからチャージすれば、1度の支払いで複数の決済手段のポイントを受け取れることになるでしょ。ただし、最近ではクレジットカードの中には電子マネーやコード決済へのチャージにはポイントを付けないケースもあるわね。

良男 ネット通販にもお得な方法があった気がするな。

幸子 カード会社などが利用者向けに運営する、ポイントモールなどと呼ばれるサービスね。モールに掲載されたネット通販サイトを選んで買い物するだけで、ポイントが上乗せされるのよ。通販サイトを直接訪れる通常の方法より10倍以上、ポイントを多くもらえるケースもある。モールから訪れた利用者が買い物をしたことでネット通販サイトが支払う成果報酬の一部を、利用者にポイントで還元しているの。普通に買うよりポイントがたまりやすいわ。

良男 そういえば9月からマイナポイントという制度が始まったらしいね。

幸子 マイナンバーカードを使ったポイント還元で、事前に登録したキャッシュレス決済でチャージや買い物すると利用額の25%分、最大5000円分のポイントを21年3月末まで受け取れる制度よ。手続きにはプラスチック製のマイナンバーカードが要るけど、今からでもまだ間に合うわ。自治体からマイナンバーを通知する際に送られてきた交付申請書に必要事項を記入して郵送したり、記載されたIDをサイトで入力したりしてカードを取得し、ポイントを予約・申し込みすればいい。

 便利だしお得だし、キャッシュレス決済っていいことばかりだね。

幸子 そうとは限らないかな。手軽に支払えるから、現金より支出の実感が薄くて無駄遣いしやすいとの指摘があるの。キャッシュレス決済を複数利用していると、総額でどれくらい支出したかも把握しにくくなるし、ポイント目当てで不要な買い物をしては本末転倒だね。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは「支払い履歴をもとに決済手段ごとに毎月の利用額を決めておくと家計管理しやすい」と助言しているわ。

決済手段、普段は3~4種類に


野村総合研究所上級コンサルタント 冨田勝己さん
 キャッシュレス決済の手段を複数持つのはかまいませんが、普段利用するのは多くても3~4種類に絞り込んだ方がよいでしょう。利用額やポイントを考慮すると、多すぎると手間がかかって管理しきれない可能性があります。個別の利用額はスマートフォンの専用アプリなどで即時に確認できますが、複数ある場合は家計簿アプリなどにまとめて連携しておくと把握しやすいです。
 ポイント管理にも留意する必要があります。せっかくためたポイントも、有効期限を過ぎて失効してしまうと意味がないからです。特定の決済手段で支払うとポイントを増量するキャンペーンもあります。普段ためていないポイントだと使い切れず、失効する可能性が高いでしょう。わざわざ決済手段を増やす必要性は低いので、キャンペーンを見送るのも一案です。(聞き手は藤井良憲)

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り54文字

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン