タイ、新型コロナの非常事態宣言を8度目延長

【バンコク=村松洋兵】タイ政府は23日、新型コロナウイルス対策で出している非常事態宣言の期限を、今月30日から2021年1月15日まで延長すると閣議決定した。3月の発令以来、延長は8度目だ。プラユット政権が反体制デモを抑える狙いで、防疫対策を利用しているとの見方がある。
タイ全土を対象とする同宣言の期限は、月末ごとに延長されてきた。年末年始に伴う移動の増加を考慮し、新たな期限は来年1月15日とした。
プラユット首相は同宣言に基づき、一元的に防疫対策を命じる権限を持つ。現在は認めている集会や県境をまたぐ移動は、防疫に必要と判断すれば禁止を命じられる。
タイ政府は10月、これとは別に反体制デモを抑制する目的で、バンコクを対象に集会を禁止する非常事態宣言を出した。デモ隊の強い反発を受け同月中に解除している。