米、新型コロナワクチンを12月11日にも接種開始

【ニューヨーク=大島有美子】米国で新型コロナウイルスのワクチン接種が早ければ12月11日にも開始される見通しとなった。米政府でワクチン開発を指揮するチームのモンセフ・スラウイ首席顧問が米NBCなどのインタビューに答えた。
米製薬大手ファイザーは20日、米食品医薬品局(FDA)にワクチンの緊急使用許可を申請した。現在はFDAの承認待ちで、FDAは12月10日に同ワクチンを承認するかどうかを議論する有識者会合を開く見通し。スラウイ氏は「承認から24時間以内には各州へのワクチンの輸送が始まるだろう」と述べ、11日にも接種が始まるとの見方を示した。

ワクチンは州の人口に応じた数量が配布される見通しだ。接種の順番はそれぞれの州が決めることになるが、医療従事者や高齢者など感染リスクや重症化の可能性が高い人が優先的な接種対象となる。スラウイ氏によると集団免疫を獲得するには人口の7割が免疫を持った状態になる必要があり、米国では2021年5月を目標にしているとした。
ファイザーは独ビオンテックとワクチンを共同開発しており、最終治験の結果で95%の予防効果が確認できたとした。FDAの承認が得られれば数時間以内に供給体制を整え、年内に2500万人分に相当するワクチンを生産するとしている。日本や欧州など各国の当局にも使用許可を申請する。コロナワクチンを開発中の米製薬モデルナも近くFDAに緊急使用許可を申請する予定だ。
米国では新型コロナの感染拡大が止まらず、22日には7日移動平均でみた新規感染者数が17万人超と過去最多を更新し続けている。累計感染者数は1224万人超で、わずか6日間で100万人超増えた。

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