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「愛は観光ではない」 コロナ下、苦悩の国際カップル

(更新)
自ら開発したアプリで交際相手と連絡をとる永田公平さん(11月、米サンフランシスコ)

新型コロナウイルス対策で国境を越えた移動が制限され、国際遠距離恋愛のカップルが苦悩を深めている。SNS(交流サイト)では「#愛は観光ではない」と入国制限の緩和を求める動きが広がっている。オンラインの連絡にも時差の制約があり、絆を維持するための模索が続く。

「コロナさえなければ別れてなかったのに」。大阪府の会社員の女性(32)は、スマホに残る韓国人男性(30)との写真を見てため息をつく。2019年夏に交際を始め、週末を使って月2回は互いに日韓を行き来していた。20年2月に韓国で会った後、両国とも入国に特別なビザが必要になり渡航できなくなった。

女性はストレスからうつ状態になり、睡眠薬が欠かせなくなった。オンラインで毎日連絡を取り合っていたが、再会が見通せないいら立ちから口論が増えた。「恋愛を続けることが苦しい」と9月末、2人で別れを決めた。女性は「恋人に会うのは海外旅行とは意味が違う。政府に緩和策を考えてほしかった」と声を落とす。

春以降、新型コロナによる国境封鎖や入国制限で、別々の国に暮らす恋人同士が会えなくなった。SNSでは「#Love Is Not Tourism」などのハッシュタグを付けて交際相手の入国緩和を求める運動が世界的に広がった。

欧州を中心とした一部の国では、婚姻関係にない相手の入国を条件付きで認める方針を出している。

出入国在留管理庁によると、日本は11月1日現在、152カ国・地域からの外国人の上陸を拒否している。「人道上の配慮の必要性がある場合は入国を認める」とするが、同庁担当者は「婚姻関係のない相手の入国は想定していない」と話す。

東京都の医師、石井佳奈さん(37)は、婚約していた米国人男性と1月以来会えなくなり、日本で1人で婚姻届を出した。「政府は海外への短期出張や『Go To トラベル』の国内旅行は認めながら恋愛関係を軽んじている」。入国規制の緩和を求めてオンラインで署名を集め、法務省や外務省に対する嘆願書提出を続けている。

米サンフランシスコに住む大学生の永田公平さん(22)は11月、国際遠距離カップルがコミュニケーションを取りやすいように、常時接続状態を維持して気軽に会話ができるスマートフォン向けアプリを開発した。

知り合いの国際カップル約30組に調査すると、ほぼ全員が「時差で週1回しか電話できない」など会話の少なさを課題に挙げた。永田さんも日本にいる交際女性との意思疎通に悩んでおり「距離があってもつながりを感じられれば関係は続く」と話す。

国際結婚・離婚専門カウンセラーのウォルデン京子さんの元には、コロナ禍で入国制限を背景とする相談が増えている。「もともと国際結婚は言語や宗教など乗り越えるべき課題が多く、コロナでさらに複雑になっている」と話す。「結婚後も価値観の違いを擦り合わせる努力が必要な場面はたくさんある。今はリモートで冷静に話し合える貴重な機会だと前向きに捉えてほしい」と呼びかける。

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