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「イート」お預けに落胆 忘年会の客足減に不安の声

東京都では20日からプレミアム付き食事券の販売が始まった(東京都足立区)=共同

政府の外食支援策「Go To イート」事業を巡り、菅義偉首相が食事券の発行停止などを要請すると明らかにした。事業は10月に始まったばかりで、飲食店からは「客足が遠のきかねない」と惜しむ声も。食事券などは一部で入手困難になる人気ぶりで、転売も問題となった。

「年末の繁忙期に期待していたのに」。東京・神田の居酒屋で働く男性従業員(30)は不安そうに話す。10月以降、ポイント目的で訪れる客がランチを中心に増え、11月には会社員らの夜の宴会も増えて満席になる日も続いていた。売り上げは前年の7割ほどに回復し、忘年会シーズンで今年前半の不振を取り戻すつもりだったが「客足がまた減るかも。せっかくの復活ムードが途切れなければよいが……」と肩を落とす。

冷静に受け止めたのは東京・池袋の中華料理店「熊猫火鍋」のオーナー、金文龍さん(32)。「国の策には振り回されず、店での食事が安全だとアピールし続けたい」と淡々と話す。検温や消毒の徹底をPRし、10月以降の利用客は例年を上回るほどに戻った。「感染がさらに拡大しても、安心できれば客は来てくれる」と強調する。

事業を利用した消費者側も複雑だ。埼玉県に住む30代の男性会社員は友人の結婚祝いでレストランを予約し、今月中旬に8千ポイントを受け取った。22日に家族で近所の焼肉店を予約済みといい、「コロナ禍で家族の外食を自粛がちだった。何とか手元のポイントは使いたい」と話す。

購入額の25%分が上乗せされるプレミアム付き食事券の販売は10月上旬以降、順次始まった。自治体ごとに民間事業者や商工団体が事務局をつくり、発行事業を受託。東京の発売は全国45番目で、26日に山形県、12月1日に青森県で始まると47都道府県で出そろうはずだった。

感染拡大を受け、すでに神奈川県が食事券の販売を25日から一時中断すると公表。事業を所管する農林水産省によると、北海道や東京都など9都道府県が利用条件を「4人以下」とする方針を決めるなど一部で制限が導入されつつあった。

一方で販売は好調だった。20日に販売を始めたばかりの東京都では21日もスマートフォンで引換券を申し込む「紙の食事券」が受け付け開始から20分ほどで当日分の発行上限に達した。

兵庫県の井戸敏三知事は11月上旬の記者会見で「私が申し込もうとしてもサイトにつながらなかった」と指摘し、改善を求めた。食事券は10月に2回販売されたが、即日完売。県民から不満の声が上がった。

人気が高まる中、転売も明らかになった。石川県では全47万世帯に引換券を無料で送付したが、フリーマーケットアプリ「メルカリ」で5枚が300~千円程度で出品されているのを事務局が確認した。メルカリ側に出品取り消しを求めたが、すでに一部は販売済み。兵庫県でも無料配布された申し込み用のはがきがメルカリに出品され、1枚400~999円の値段が付いた。

オンライン飲食予約でポイントを付与する事業は予算額の上限に近づいたとして、大手予約サイトのポイント付与が相次ぎ終了している。

予約1人あたり最大千円分のポイントがもらえることから、千円未満の料理を注文し、ポイントを入手する手法が「錬金術」と物議を醸した。農水省はその後、ポイントで得られる金額を下回る飲食ができないようサイト事業者に求めた。

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