大阪、高齢者らに外出自粛要請 感染拡大防止に軸足

関西
大阪
社会・くらし
2020/11/20 23:30
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大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議で発言する吉村洋文知事(20日、大阪市中央区)

大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議で発言する吉村洋文知事(20日、大阪市中央区)

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大阪府は20日、対策本部会議を開き、警戒レベルを1段階上げた。5人以上、2時間以上の飲み会・宴会の自粛や、高齢者ら重症化するリスクが高い人には不要不急の外出を控えるよう要請。重症患者用の病床の積み増しなども急ぐ。社会経済活動と感染対策の両立を目指してきた中、「第3波」では感染拡大の防止策に軸足を移しつつある。

「感染者数は速いスピードで増加している。北海道や東京でもこの数日右肩上がりになっており、大阪でも当然右肩上がりになる」。吉村洋文知事は20日の対策本部会議後、記者団にこう述べ、強い危機感を示した。

府によると、20日は過去最多となる370人の感染が判明。300人超は2日連続となった。吉村氏は「なかなか強いブレーキをかけないと抑えがきかない環境になる」と感染対策の必要性を強調した。

会議では府独自基準「大阪モデル」に基づき、警戒を意味する「黄信号」の「ステージ1」から「ステージ2」へ引き上げた。20日時点の重症患者数は81人で、重症病床の使用率は39.3%になった。感染の「第2波」のピークの使用率(38.3%)を上回った。

感染者が急増する中、医療提供体制が逼迫しかねないことへの危機感がある。府は1週間の新規感染者数が前週比でどの程度増えるかを2つのパターンで試算。1.5倍のケースでは12月1日には重症病床使用率が70%を超え、非常事態を意味する「赤信号」が点灯。12月8日には府内で確保を目指す最大数(215床)がすべて埋まる計算だ。1.2倍の場合でも、12月9日には使用率が70%を超える。実際、感染者は直近1週間で約1.3倍に増えており、府は警戒を強める。

「第3波」で重症患者が増える背景には、高齢者の感染が広がっていることがある。府の分析では11月15~19日までの感染者計1219人のうち、60代以上は30%に上る。「第2波」の感染拡大期(6月中旬~7月中旬)には60代以上は7%にとどまっていた。

高齢者の感染拡大は、クラスター(感染者集団)が多発していることが原因の一つ。11月5日~11月18日までに高齢者施設と医療機関で計11カ所のクラスターが発生し、合わせて200人が感染した。高齢者や基礎疾患がある人は重症化や死亡するリスクが高い。重症患者数のピークは、新規感染者数のピークから約2週間遅れる傾向があるという。

高齢者らへ不要不急の外出を控えるように呼びかける吉村洋文知事(20日、大阪市)

高齢者らへ不要不急の外出を控えるように呼びかける吉村洋文知事(20日、大阪市)

現在、病床で運用のメドが立っているのは206床。うち、入院中またはすぐに患者を受け入れられるのは120床にとどまる。感染が落ち着いていた時期は、一般の患者用として使用。コロナ用に切り替えるには入院患者を転院させるなど一定の時間がかかるため、府は医療機関に協力を求めていく。感染拡大を抑えつつ、医療体制崩壊を防ぐための病床確保が急務だ。(佐野敦子 奥山美希)

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