/

じもとHD最終赤字30億円 21年3月期、SBIが出資

じもとホールディングス(HD)は20日、SBIホールディングスと資本業務提携すると正式発表した。有価証券の評価損で2021年3月期は30億円の最終赤字になる見通し。新型コロナウイルスの影響もあり、SBIから35億円の出資を受け入れ財務体質を改善するとともに、最新の金融ノウハウを取り入れる。

じもとホールディングスの鈴木隆会長(左)とSBIホールディングスの川島克哉副社長(20日、仙台市)

両社は同日午後、山形市と仙台市でそれぞれ記者会見した。きらやか銀行本店で同行頭取を兼務するじもとHDの粟野学社長は「提携で収益力は抜群に高まる」と説明。仙台銀行本店でSBIの川島克哉副社長は「すでに2行は統合している。我々のノウハウで質的な変化がおきることを期待する」と述べた。

じもとHDが21年3月末までに実施する第三者割当増資をSBI地銀ホールディングスが35億円で引き受ける。SBIグループは過去のファンドの持ち株を含め議決権ベースで18.19%を持つ筆頭株主になる。手数料を差し引いた額からきらやか銀に30億円、仙台銀に4億3000万円を出資。財務基盤を強化して地元企業に融資する。

12年、きらやか銀と仙台銀の統合で発足したじもとHDは中小企業向け貸し出しに注力していたが、マイナス金利下で利ざやは縮小。さらに有価証券評価損が20年3月期末は51億円に上り、損失処理を迫られていた。

直前に1週間延期し、同日発表した20年4~9月期決算で、きらやか銀の通期の最終損益は42億円の赤字を予想する。9月末で43億円に達する有価証券評価損を全額処理するためだ。仙台銀は14億円の黒字を確保するが、じもとHDでは30億円の最終赤字(前年同期は17億円の黒字)になる。

自己資本比率は前期末で8.07%に低下。きらやか銀は8.01%まで低下したが、出資を受け今期末も8%台を維持する。人材面ではSBIが社外取締役1人、アドバイザー2人を派遣する。

今期は株価が想定に反して上昇し、含み損が拡大したという。粟野社長は「SBIは我々にはないノウハウがある」と指摘する。すでにSBIに委託して含み益に転換した仙台銀に続き、きらやか銀も有価証券の運用を委ねる。

SBIマネープラザの共同店舗に加え、証券業務などで提携を拡大。最新の金融ノウハウを取り込み、取引先への資本性ローンの提供や、次世代システムの導入などで収益向上につなげる。鈴木隆会長は「高度な金融テクノロジーの進化に対応するためには、外部との連携が必要だと考えていた」という。

SBIの川島副社長は「コロナ禍の影響は一息ついているが、与信リスクは2~3年後に顕在化する。その間に新しいテクノロジーで本業支援など各行の業務をサポートしたい」と述べた。

福島銀行も19年11月にSBIと資本業務提携を発表しており、SBIが目指す地銀連合構想の東北での2例目となる。

SBI傘下でV字回復を目指すというじもとホールディングスの粟野学社長(きらやか銀行頭取)

粟野社長「V字回復へ損失処理」

じもとHDの粟野学社長との主なやり取りは以下の通り。

――傘下入りは有価証券の損失がきっかけですか。

「(提携は)以前から考えていた。損失は少しずつ計上する方法もあるが、一気に処理してV字回復しようと考えた。そのために時期が早まり出資金額が増えた面はあるだろう。本業利益は前期に黒字転換し今期はさらに拡大する。SBIのノウハウで有価証券が一定程度運用できれば、収益構造はがらりと変わる」

――国・日銀の支援策は影響しましたか。さらなる統合は。

「支援はありがたいが、それで経営者が統合を考えるものだろうか。我々はすでに2つの銀行が経営統合し、SBIと組むことにした。まずはじもとHDをしっかりとしたものに作り上げる」

すべての記事が読み放題
まずは無料体験(初回1カ月)

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン