女児衰弱死で母に懲役9年 札幌地裁「無責任で悪質」
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札幌市中央区で昨年6月、池田詩梨(ことり)ちゃん(当時2)が衰弱死した事件で、保護責任者遺棄致死の罪に問われた母親の池田莉菜被告(22)の裁判員裁判で、札幌地裁(石田寿一裁判長)は20日、懲役9年(求刑懲役14年)の判決を言い渡した。
石田裁判長は判決理由で、詩梨ちゃんに満足に食事を与えないまま自宅に置き去りにして長時間外出していたことなどに触れ「あまりに無責任で、犯行態様は悪質」だと非難した。
池田被告側は公判で、詩梨ちゃんの死因は衰弱死ではなく、嘔吐(おうと)物が気道に詰まったための窒息死だなどとして無罪を主張。石田裁判長は遺体を解剖した医師の所見から栄養不足による衰弱死と認められるとして退けた。
判決によると、池田被告は昨年5月31日ごろから6月5日にかけ、交際相手の藤原一弥被告(26)=同罪などで一審実刑、控訴中=に暴行されてけがを負った詩梨ちゃんに、必要な治療を受けさせたり十分な食べ物を与えたりせず、衰弱死させた。
〔共同〕