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阪神、新陳代謝で刷新なるか 「リーダー藤浪」に期待

プロ野球選手に定年はない。技術と体力があれば、いつまでもやれる。ただ、近年の阪神は優れたベテランの力に頼るあまりに、新陳代謝のテンポが遅れ気味だった。高齢選手が3人そろって去る今が、刷新のチャンスだろう。

復調の兆しが見える藤浪にはリーダーの役割が求められる=共同

牛若丸・吉田義男は「暦の年齢は関係ない」と、17年間プレーして36歳で引退した。30歳で年寄り扱いされた1960年代のことだ。「トシ」よりも「気力年齢」が問題。高齢者を排除して刷新と言うのは早計と言いたかったのではないか。

それにしても43歳の福留孝介を筆頭に、能見篤史(41)、藤川球児(40)と40歳代の3選手を擁した今季の阪神のチーム構成はバランスを欠いていた。39歳の糸井嘉男がまだ残っているし、昨年までは現ロッテの鳥谷敬(39)も頑張っていた。

さて、40歳代トリオが抜けたあとをどうするか。福留はずっと不振だったので、戦力的な影響は少ない。今年のドラフトで1位指名した佐藤輝明(近大)は左の長距離砲。すぐに福留二世とはいかないが、大山悠輔らを刺激する存在になるだろう。

コーチの肩書がなくても、若手を叱ることができるベテランは必要だ。福留は藤浪晋太郎の怠慢プレーをたしなめるなど、その面で功績があった。藤川もそれができた。実力者の一言は、指導者の叱責より身にしみる。

この怖いベテランの役目をだれが務めるか。人間的には捕手の梅野隆太郎(29)が適任と思われるが、やさしいのが気がかりだ。糸井はケガが多く、自分のことで精いっぱいだろう。

叱らなくても、プレーで緊張感を保てる。強いチームには「チームリーダー」と、認められる選手がいる。巨人の坂本勇人がその典型。掛け声ばかりでなく、忠実なプレーを見せて背中で引っ張るのだ。

阪神ではこれまで「叱られ役」のようだった藤浪が、叱る立場に変わらねばなるまい。ここ4年の低迷で、新人時代から3年続けた2桁勝利の輝きがかすんだ。復調の兆しは見えている。再びエースを名乗る可能性は十分にある。

藤浪のほか、リーダー候補には大山、近本光司がいる。そろって94年生まれ。平均年齢が若くなるだけが刷新ではないが、この「94年トリオ」が結束して引っ張れば空気は変わる。そして、9年も負け越しが続く巨人戦の屈辱を晴らしたい。

高齢者の奮闘がチーム編成や用兵を惑わせた一面はあった。そのことを引きずっても始まらない。「30歳は育ち盛り」と言うぐらいに「気力年齢」の若さを示してほしい。=敬称略

(スポーツライター 浜田昭八)

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