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トップ選手がエール 連携しなかまの輪広げる

田所裕二さん(4)日本てんかん協会事務局長

ラグビートップリーグの三菱重工相模原ダイナボアーズの土佐誠選手のメッセージ

私たちの活動は1973年に始まり、まもなく50周年を迎える。世界でも珍しいてんかんのある人と家族を中心に、専門職や一般市民も参加した自主運営の活動だ。当事者の利益を優先した全員参加の市民・ボランティア活動を基本としている。

 たどころ・ゆうじ 北海道出身。大学2年だった1981年の国際障害者年に障害や病気のある人の支援活動に参加したことをきっかけに日本てんかん協会に関与。てんかんのある人と家族を支えるソーシャルワーカーとなり、2007年から現職。

私が参加した約40年前は全国に活動拠点を築き、会員1万人を目標に、情報発信、相談援護、調査研究、施策推進を柱としていた。当時の先達からは「この協会が必要なくなるような社会をめざして活動する」と言われたことを強烈に覚えている。

現在、社会制度はそれなりに整ってきたが、理解はあまり変わらない。協会は今も活動を続けており、不要とはいえない。それでも活動はちょっと成長したかもしれない。大変さをところ構わず主張し社会や行政を批判するような、自己中心的な運動からは一歩前進したのではないか、と自負している。

てんかんはライフステージごとに、多くの分野と関わりをもつ。その全てにてんかん専門家を求めるのではなく、各領域の専門家にてんかんの基礎知識を加えてもらう。地域や企業、行政の皆さんに歩み寄り、何が不安かを聴き、その解決策を一緒に考える。当事者も病気を正しく学習するプログラムを導入し、てんかんの伝道師よろしく周囲になかま(支援者)の輪を広げていく。協会のマスコットキャラクターあかりちゃんのキャッチフレーズは「てんかんにもっとあかりを!」。そんな運動を心がけている。

10月の「てんかん月間」と、2月第2月曜日の「世界てんかんの日」では、サッカーJリーグのコンサドーレ札幌のジェイ・ボスロイド選手、ラグビートップリーグの三菱重工相模原ダイナボアーズの土佐誠選手など、トップアスリートが当事者としてエールを送ってくれた。以前は考えられないことだ。

協会を設立した先達は「協力者、援助者、支援者とともに、てんかんによる苦しみを少しでも取り除く」ことを理念とした。私たちも、多くの市民に関心を持ってもらえるホームページの運営や、誰でも気軽に電話ができる相談ダイヤル(無料)を開設し、門戸を広げている。

協会が必要でない社会を目指せるかはさておき、皆さんがてんかんは特別なものでないと理解してもらえる情報配信を続けたい。(この項おわり)

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