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激戦州 迫る勝敗確定期限 トランプ氏、遅延戦術に望み

(更新)
敗北を認めないトランプ米大統領の支持者による抗議デモが続く(17日、ペンシルベニア州)=AP

【ワシントン=中村亮】米大統領選の激戦州で結果を確定する期限が迫ってきた。敗北を認めないトランプ大統領は選挙不正を主張して手続きを遅らせ、連邦議会が大統領を選ぶ方向に持ち込もうとしているようだ。バイデン前副大統領の当選を覆すのは困難との見方が多いものの、トランプ陣営は徹底抗戦する構えだ。

大統領選はバイデン氏が半数超となる306人の選挙人を獲得する見通しとなり、当確が出ている。当確はメディア報道に基づいており、メディアを敵視するトランプ氏が敗北を認めない理由の一つになっている。各州の選挙当局は開票作業を続け、結果を認定して勝敗が正式に決まる。

米メディアによると、得票の再集計を実施した南部ジョージア州では18日までに少なくても4郡で未集計の約5800票が見つかった。6割がトランプ氏に投じた票で、バイデン氏の1万票超のリードはやや縮まった。トランプ氏の選挙陣営顧問のマクナニー大統領報道官は「すべての米国民が懸念すべきだ」と強調し、不正を訴えた。

トランプ氏もツイッターで、共和党のブライアン・ケンプ・ジョージア州知事に「最終責任を取れ!」と訴えた。ケンプ氏が再集計に介入し不正を暴いたり、選挙責任者の州務長官を解任したりするよう促したとの受け止めが出ている。

アイオワ大のドレイク・ミュラー教授は「各州がいったん結果を認定すると覆すのは極めて困難だ」と指摘する。ジョージア州は州法に基づき再集計を経て、20日までに結果を確定する。トランプ陣営はこれを阻止するため選挙不正の訴えを強めているとみられる。

バイデン氏が勝利を確実にした他の激戦州でもトランプ陣営は攻勢に出ている。中西部ミシガン州では郡ごとに共和党と民主党の代表者が集まって結果を認めるか投票する。

デトロイト市が位置するウェイン郡では17日、共和党側が反対し、認定手続きが一時滞る異常事態が起きた。米メディアによると、いったん賛成に転じたが、その後に撤回を求めて混乱している。トランプ氏は「(共和党側が)脅迫を受けた」「住民より投票数が多い」などと、同郡で不正があったと言いたてている。

ミシガン州では各郡の結果を集約し、両党の代表者が州全体の結果についても認定の是非を投票で決める。23日が期限となっており、トランプ氏は共和党の代表者に認めないよう促している可能性がある。

トランプ陣営は18日、中西部ウィスコンシン州でも民主党の地盤である2郡で得票の再集計を申し立てた。同州は12月1日までに結果を認定するが再集計に時間がかかれば期限間際になりかねない。23日と24日にそれぞれ期限を迎える東部ペンシルベニア州と西部ネバダ州でも法廷闘争が続いている。

「下院での選出」狙いか

トランプ陣営は連邦議会下院が大統領を選出するシナリオを描いているとみられる。連邦法によると、各州は12月8日までに選挙結果を認定して選挙人を指名し、同14日に各州の選挙人が大統領候補に投票する。期限に間に合わない州は選挙人の投票が難しくなる。

選挙人の獲得数が過半数に達する候補がいなければ下院が大統領を選ぶシナリオが浮上する。全米50州に1票ずつ割り当て、26票を得た候補を当選とするルールだ。CNNによると、共和党議員が多数を占める州は現時点で過半数となっており、トランプ氏に有利な状況にある。

それでもハードルは高い。バイデン氏の獲得選挙人が過半数を下回るにはバイデン氏が勝利を確実にした3つ以上の激戦州で結果認定が期限に間に合わなかったり、結果を覆したりする必要がある。選挙不正を訴える運動を激戦州で展開する保守派団体首脳も「時間切れだ」ともらしている。

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