中国商務省「積極的な開放姿勢取る」 TPP加入巡り
【北京=川手伊織】中国商務省の高峰報道官は19日の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP11)への加入を検討するかどうかを巡り「積極的に開放する姿勢を取る」と語った。直接的な言及は避けたが「どのような自由貿易の枠組みでも、世界貿易機関(WTO)の原則に適合し、グローバル化や域内経済の一体化に役立つなら歓迎する」と述べた。

中国は15日、日韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国とともに、東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)に署名したばかりだ。習近平(シー・ジンピン)国家主席も19日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の関連会合でビデオ形式の演説をし、「積極的に多国間の投資と貿易のメカニズムに参加する」と強調した。
TPP11は関税撤廃率がRCEPより高いうえ、国有企業の改革や知的財産権の保護など中国が対応すべき課題も多い。実際の加入に向けては、ハードルが高い。それでも積極的な対外開放を強調するのは、保護主義を強めている米国を意識した面が大きい。習氏は演説で、米国を念頭に「今年に入り単独主義や保護主義がまん延している」と批判した。