中国テンセント系、仮想コンサートの米社に出資
【広州=比奈田悠佑】中国のネット大手、騰訊控股(テンセント)の音楽配信子会社、テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループは19日、「仮想コンサート」制作の米ウエーブに出資すると発表した。新型コロナウイルスの世界流行後、SNS(交流サイト)などを介したコンサートの人気が高まっており、出資でこうしたノウハウを取り込む。

ウエーブは音楽アーティストのダンスをCGで再現するなどした仮想コンサートのコンテンツ制作を手がける。テンセント・ミュージックは出資で少数株主となり、戦略提携を結ぶ。出資額や比率は公表していない。
ウエーブはコンサート映像をSNSや動画アプリで配信している。米国の歌手ジョン・レジェンドさんなどのイベントを手がけたことがあるという。テンセント・ミュージックはこうした技術を生かした仮想コンサートを「QQ音楽」などグループのプラットフォームに採り入れる狙いだ。
新型コロナの感染防止のため、ライブやクラブイベントを避ける人が増えている。音楽業界では収益確保が課題になっており、仮想コンサートの利用が注目されている。会場設営費などがかからずコストを節約できるため、新型コロナが収束したとしても、仮想コンサートは一定の市場規模を保つとの見方もある。