住友商事、英ボーダフォンと戦略提携 5GやDXで協業

住友商事は19日、英携帯通信大手のボーダフォン・グループと戦略的な提携関係を結んだと発表した。ヘルスケアや農業、再生可能エネルギーなどの産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)や、通信事業のデジタル化など幅広い分野での協業を検討。両社が持つ事業基盤やノウハウを持ち寄り、高速通信規格「5G」関連などで新事業を育てたい考えだ。
住友商事は、新興国での通信インフラ事業やDX支援を成長分野と位置づけている。そのため通信で世界的な基盤をもつボーダフォンとの親和性が高いと判断した。欧州拠点を中心に具体的な協業内容を探る。
ボーダフォンは欧州・アフリカを中心に21カ国で携帯電話や固定通信を展開する欧州最大手の通信事業者で、携帯電話の加入者は3億人超にのぼる。欧州の契約者数が頭打ちとなるなか、新規事業としてデジタル分野の開拓に取り組んでいる。
例えば、同社がアフリカで展開するスマホ決済サービス「エムペサ」は、4500万人が利用する。英国、ドイツなど7カ国で始めた5Gサービスでは、遠隔医療や自動運転など次世代サービスの開発を進めている。
住友商事が手がける通信事業としては、KDDIとミャンマー郵電公社(MPT)と組み、同国で展開している。スマホを活用した送金・決済など周辺サービスを拡充している。より広い顧客基盤などを持つボーダフォンと組み、通信事業やDX支援の拡大を目指す。