フォートナイト側「開発者分断する策略」 Apple批判

【シリコンバレー=白石武志】米アップルが18日に小規模なソフトウエア開発者へのアプリ配信手数料を15%に半減すると発表したことについて、同社と手数料などをめぐって係争中の米エピックゲームズ幹部は開発者を分断する策略だとの見解を示した。同社はアプリ配信市場の開放を求めており、アップルとの対立は続くことになりそうだ。
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エピックのティム・スウィーニー最高経営責任者(CEO)が18日、米紙ニューヨーク・タイムズが主催するイベントに参加し述べた。手数料が割り引かれる小規模な開発者にとっては「進歩的な改善だ」としつつ、大部分の消費者には30%の手数料の転嫁が続くと指摘。アップルの取り組みについて「開発者を分断して征服するための皮肉な策略だ」と批判した。
エピックが音楽配信のスポティファイ・テクノロジー(スウェーデン)などとともに設立したアプリ配信基盤の公平性を求めるNPO「アプリの公平性のための連合(CAF)」も18日、「アップルの発表では開発者が我慢しなければならない権力の乱用や独占行為を是正することすらできない」との声明を出した。
アップルは「iPhone」などの自社製品上で外部企業によるアプリ配信を認めておらず、アプリ審査などの権限を独占している。消費者が複数のアプリ配信基盤を選べるよう求めるCAFは「開発者は見せかけのジェスチャーではなく、アップルに公平な競争の場を求めている」と強調した。
人気ゲーム「フォートナイト」の開発元であるエピックは8月、硬直的なアプリ配信の手数料などが反競争的だとして、アップルに対する訴えを起こした。同社は他のアプリ開発者にも賛同するよう呼びかけている。小規模な開発者を対象としたアップルの手数料引き下げは、自社への批判の広がりを抑える狙いがあるとみられていた。