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タイ国会、民間の改憲提案否決 反体制派は抗議集会

【バンコク=村松洋兵】タイの国会は18日、憲法改正に関する審議で、民間団体による改憲提案を否決した。同提案は王室改革などを求める反体制派が支持していた。反体制派はバンコク中心部で大規模集会を開き抗議した。前日には銃撃を受けたとも主張しており、緊張が高まっている。

民間提案は人権派の法学者などでつくる団体「iLaw」が約10万人の署名を集めて提出した。現在は国軍が事実上任命している上院議員を公選制とすることや、王室に関する条文も含めた幅広い改正を可能にすることを提案していた。

採決は上下両院議員が投票した。プラユット政権を支持する親軍与党「国民国家の力党」などが反対や棄権に回った。

国会はこのほかに与党の1提案、野党の5提案についても採決した。このうち与野党が別々に出した、改憲に向けて憲法起草会議を設置する2提案のみ可決した。上院の権限縮小などを求める野党の4提案は否決した。

タイの国会は法案などを3段階で審議する「3読会制」を採用している。今回可決した2提案は第2段階の審議に回る。いずれも王室改革につながる王室関係の条文は変更しないとしている。

反体制派は同日、バンコク中心部「ラチャプラソン交差点」で集会を開いた。国会に民間提案を可決するよう圧力をかけるためだが、デモ開催中に民間提案の否決が伝わると反発を強めた。

学生を中心とする主要グループ「フリーユース」は、ツイッターに「国会は国民の要求を無視して独裁者(プラユット首相)を支持した」と非難する声明を投稿した。

同交差点は百貨店などが集まるバンコク有数の商業エリアだ。道路がデモ隊に占拠され交通がマヒした状態になった。

デモ隊は交差点近くにある警察本部にも向かった。警察は約2100人の警官を配備し、本部の周囲には有刺鉄線を張り巡らせて警戒に当たった。警察の報道官は「警察本部への侵入は許されない。状況に応じて必要な措置を取る」と警告した。

警察は17日に国会近くに集まった反体制派に対して、放水車や催涙ガスを使って排除しようとした。反体制派の主導者の一人であるパリット氏は「警察からの暴力を非難する」とし、抗議する意向を示していた。

反体制デモを巡っては、警察や王室改革に反対する王室支持派との衝突で暴力がエスカレートしている。17日は反体制派と王室支持派が国会近くで石や椅子を投げ合うなどした。反体制派は王室支持派からの銃撃で負傷者が出たと主張する。

救急当局は18日、前日の衝突で55人の負傷者が出たと発表した。このうち6人は銃撃が原因だった。一連のデモで銃撃による負傷者が出るのは初めてだ。負傷者の属性やけがの具合は明らかになっていない。

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