三井不動産、顔認証で入館や入室ができるホテル開業

三井不動産は顔認証システムでチェックインや入室などができるホテルを東京都内の水道橋で25日に開業する。大型のスクリーンやラウンジも設けており、宿泊者同士の交流も楽しんでもらう。新型コロナウイルスの影響で厳しい状況が続くが、新たなコンセプトのホテルとして顧客開拓を進めていく。
開業に先立ち18日に内覧会を開いた。ホテル名は「シークエンス水道橋」で、JR水道橋駅から徒歩1分ほどの場所にある。東京ドームなど観光スポットも近く、ビジネス利用に加えて家族連れやグループ旅行の宿泊者なども想定している。

全119室で8種類の客室を用意し、室内は白や黒色を基調としたモノトーンに仕上げた。広さは15~30平方メートルで、通常のベッドタイプのほかに2~4人で宿泊できる二段ベッドタイプもある。「新ホテルのコンセプトを最も表現した部屋」(長谷部修一ゼネラルマネージャー)としてプロジェクターやスピーカーを設置し、宿泊者が持ち寄った映画などを楽しめる客室も用意した。
コロナ後に一段と加速するデジタルトランスフォーメーション(DX)も取り入れる。チェックインはQRコードや顔認証に対応し、同社によれば首都圏のホテルで初めてエレベーターや入室の際にも顔認証を導入した。室内のタブレット端末でチェックアウトもできるため、一連の作業が非対面で完結する。料金は当面、1泊2万円前後からを計画している。
飲食や交流を目的にオープンテラスやラウンジを設け、宿泊者専用のシアターラウンジなどもある。コロナ禍で密を避ける必要はあるが、他社のホテルにはない特徴として打ち出す考えだ。
12月上旬からは法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」の1つの拠点にもなる予定。宿泊だけにとどまらず日中の会社員の利用者も増やす考えで、多様なニーズに応えてコロナ後も選ばれるホテルになることを目指す。
(原欣宏)