バイデン氏、イスラエル首相と電話「関係強化を」

【ワシントン=中村亮】米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は17日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話し「両国関係の強化」を目指す方針を伝えた。バイデン氏はイスラエルの意向に反し、イラン核合意への復帰を目指しており、中東の安全保障の要となる両国関係の先行きに関心が高まっている。
バイデン氏は「イスラエルの安全保障やユダヤ人による民主国家としての将来をしっかりと支える」との立場を示した。トランプ政権はイスラエルの首都としてエルサレムを承認したり、ゴラン高原の主権を同国に認めたりした。バイデン氏はイスラエルに肩入れしたトランプ政権の政策を見直し、同国と対立するイランとの対話にも意欲を示している。
バイデン氏はインドのモディ首相とも電話し、インド系移民の母親を持ち、副大統領に就く見通しのハリス上院議員に言及。「南アジア系で初となる副大統領のもとで米・インドの戦略的パートナーシップの強化や拡大を望む」と伝えた。「安全で繁栄するインド太平洋地域の維持」が議題にあがり、中国への対応で意見交換した可能性がある。
バイデン氏はチリや南アフリカの首脳とも電話協議した。
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