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米国で普通の生活者を億万長者に導いた、確定拠出年金

積立王子への道(18)

投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

米国でも制度ができたから普及したんだ

資本主義の本場、米国では確かに日本よりも幅広に普通の生活者の間で長期積み立て投資が定着している。でも彼らが我ら日本人より高度な金融知識を身に着けているかというと、そんなことはない。米国政府がつくった制度があまねく普及したことによって、結果的に多くの米国国民が積み立て投資で長期資産形成へと「行動できちゃっている」のが実態だ。

それが確定拠出年金だ

その制度とはいわゆる「401kプラン」と呼ばれる企業型の確定拠出年金のことだ。2人は日本の「イデコ」(iDeCo、個人型確定拠出年金)については聞いたことがあると思うけど、同様の仕組みで企業の従業員が加入するものだ。

日本では個人型のイデコを含めて、ようやく確定拠出年金への関心が高まり始めた段階だけど、本家の米国では40年も前に制度が開始したんだ。その長い歴史を経て米国では7千万人超の国民がこの制度に参加している。実態的には中流以上の生活者の大半が確定拠出年金制度に加入していると言っても過言ではない。

オートマチック長期投資家→億万長者の誕生

この仕組みの下では、毎月給与から拠出額が天引きされて長期資産形成に適した投資信託の購入に充てられる。つまり彼らは自動的に毎月、積み立て投資を実践することになり、さらにそれがリタイア期まで長期にわたって継続されるわけだ。これはまさにオートマチックに米国民をまっとうな長期積み立て投資家にしてしまう、官製の仕組みなのだ。

米国内ではハジメくんやいろはちゃんのように若い頃から401kプランを始めて、コツコツと長期積み立て投資を続けて退職期を迎えた人たちの中に、30年以上の運用成果によって受け取り年金額が総額1億円超えまで育っちゃった例が続出している。「ミリオネア」つまり億万長者だよ。

日本でもようやく似たような制度ができている

米国には401Kプランに加え、IRA(アイラ)と呼ばれる個人退職口座制度も充実している。これは給与所得課税後の資金を充当して行う非課税投資制度で、日本でいえば「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」に相当するものだ。米国というと貧富の差が激しいイメージだが、普通の企業勤めの生活者に関しては401KとIRAという2つの「じぶん年金制度」によって、自助自律型の豊かなライフスタイル実現に社会的成功を収めているのが事実なんだ。日本の生活者の現状とは格段に彼我の差がある。

こうしたいわば日米格差の現実に触発された我が国政府が、ようやく本気で米国の事例に倣って日本の生活者にも同様の行動規範を広めようと制度化したのが「イデコ」と「つみたてNISA」だ。次はこれら2つの非課税制度について理解を深めていこう!

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信株式会社代表取締役会長CEO。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。

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積み立て投資には、複利効果やつみたてNISAの仕組みなど押さえておくべきポイントが多くあります。 このコラムでは「積立王子」のニックネームを持つセゾン投信会長兼CEOの中野晴啓さんが、これから資産形成を考える若い世代にむけて「長期・積立・分散」という3つの原則に沿って解説します。

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