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NTT、6G復権へ始動 ドコモへのTOBが完了

NTTの澤田純社長は17日の講演で「これからドコモを強くしていく」と話した

NTTグループが再結集し、次の高速通信規格「6G」での復権に向けて始動する。NTTは17日、NTTドコモに対するTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表。ドコモは12月に上場廃止となり、NTTの完全子会社になる見通しだ。5Gで出遅れた反省を踏まえ、グループに散らばる技術を結集し、次世代技術での主導権を狙う。

「ドコモを強くすることで、(光技術を使ったネットワーク構想の)IOWN(アイオン)により日本、世界を豊かにする営みを推進したい」。NTTの澤田純社長は同日開いた研究開発の展示会「R&Dフォーラム」で、6G時代のカギとなるアイオンにドコモの関わりが欠かせないとの認識を示した。

アイオンは既存技術の100倍規模の容量と低遅延のデータ伝送の実用化をめざすものだ。現行の5G整備では、中国や韓国、欧米に立ち遅れた日本。だが、アイオン構想が実を結べば、ネットワークの世界展開につながり、この分野で米グーグルなどGAFAや中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)とも戦えるとNTTはみている。

さらにNTTはドコモを完全子会社化した後、クラウドやデータセンターも手がけるNTTコム、ソフトウエア開発のNTTコムウェアの2社をドコモと統合させる方向で検討を進めている。グループに分散する技術を結集させるとともに、二重投資など無駄をそぎ落として世界で戦える収益力を取り戻す。

一方、ドコモが持つ顧客基盤やネットサービスを有効活用することも課題だ。インフラを提供する薄利の「土管」だけでなく、より上流でのサービス提供で収益を上げられるか。例えばコンビニエンスストアやネット通販など幅広い場面で使える「dポイント」会員は約7800万人に上る。スマホを媒介にリアルとネットの双方での使いやすさを高めれば、顧客囲い込みにつながる。

もっとも、こうしたビジネスモデルでは、ペイペイをいち早く普及させたソフトバンクKDDIが上手。当のドコモは「店舗中心の販売手法の過去の成功体験からなかなか抜け出せない」(ドコモ幹部)。完全子会社化を機に、保守的な社風とされるドコモそのものの改革も急務だ。

当面の焦点は携帯電話の料金だ。菅政権は20ギガ(ギガは10億)バイト以上と定義する大容量プランの価格の大幅な値下げを求め、KDDIとソフトバンクは傘下のサブブランド「UQモバイル」と「ワイモバイル」での値下げを決めた。TOBで身動きができなかったドコモだが、両社のように格安のサブブランドがないだけに、新料金の設定は難しい判断を迫られそうだ。

通信の競争の舞台が固定からモバイルに移って久しいが、NTTは常に後手に回ってきた。ドコモの完全子会社化を機に再び世界で飛躍できる通信会社になれるか。総額で4兆円超もの資金をつぎ込んだだけに、不退転の実行力が求められる。

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