野口さん宇宙ステーション入り 「感動分かち合いたい」
日本人宇宙飛行士の野口聡一さん(55)ら日米の4人が乗った米スペースXの新型宇宙船「クルードラゴン」が日本時間17日午後1時すぎ、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。気密性を確かめた後、同3時すぎに宇宙船とISSの間の扉を開いた。野口さんら4人は順にISSに入り、滞在中の飛行士と対面を果たした。約半年間にわたる長期のISS滞在が始まった。
ISSで働く飛行士は滞在中の米ロの3人と合わせて計7人になる。野口さんは米スペースシャトル、ロシアの宇宙船ソユーズへの搭乗に続く3回目の宇宙飛行だ。
クルードラゴンは宇宙ベンチャーのスペースXが開発を主導した民間宇宙船で、今回の打ち上げから本格的な運用段階に入った。米フロリダ州のケネディ宇宙センターから16日午前(米東部時間15日午後)、同社の大型ロケット「ファルコン9」で打ち上げられた。
野口さんはISSの日本実験棟「きぼう」で科学実験や超小型衛星の放出などを担う。科学実験では微小重力の環境を生かし、地上でiPS細胞から作った「ミニ肝臓」の立体培養や、創薬の標的になるたんぱく質の結晶化などに取り組む。
また民間企業がきぼうを有償で利用する取り組みとして、きぼうの中に放送スタジオを設け、地上と双方向のライブ番組を配信する技術実証なども予定している。
野口さんはISS到着後に「日本の皆様、クルードラゴン運用1号機、無事にISSにドッキングしました。国際パートナーの一員として、民間宇宙船のドッキング成功に立ち会えて、とても幸せです」と述べた。
また、これまでの苦労を振り返りながら「我々クルーは訓練の間、打ち上がった後も様々な困難な状況に直面しましたが、『全集中』で乗り切ってきました。これから半年間の宇宙滞在も皆さんと感動を分かち合いましょう。オール・フォー・ワン、クルーワン・フォー・オール」と語った。


