パルコ、9年ぶり心斎橋出店 20日開業、ネット融合も

パルコは17日、20日に開業する「心斎橋パルコ」(大阪市)を報道陣に公開した。大阪への出店は9年ぶり。シェアオフィスやイベントスペース付きのカフェなど体験型の施設を充実させた。店舗とネットの融合を含めた新たな情報発信拠点として活用する。
大丸心斎橋店(同)の旧北館を改装した。地下2階地上14階建てで、飲食店や衣料品のほか、東急ハンズなど約170店舗が入居する。年間テナント取扱高で220億円を目指す。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため当面は入店は事前予約制とする。
サービスや飲食に関連するテナントを増やし、体験型の施設に仕上げた。クリエーターの利用に特化したシェアオフィスや、イベントスペース付きのカフェなど来店者が参加できるようなしかけを設けた。飲食フロアにはスナックと共同企画した店舗やマジックバーなどが出店する。ライブコマースのスタジオを設けるなど、ネット通販への誘客にも力を入れる。
大丸心斎橋店は新型コロナの影響でインバウンド(訪日外国人)需要が消失。10月の売上高は前年同月比3割減と回復が遅れている。本館とパルコは2階から10階まで連絡通路でつながり、回遊を促す。ハウスカードを利用した相互ポイント企画を実施する。30~40代の需要を取り込む考えだ。パルコの牧山浩三社長は「コロナ下でも行きたいと思う店を目指す」と話した。
親会社のJ・フロントリテイリングは百貨店依存からの転換を目指している。9月にユニークなテナントを誘致できる知見を持ったパルコに、グループの不動産事業を移管。今後予定している名古屋や心斎橋の開発はパルコを中心に進める。