ペルー、次期大統領を指名 大使公邸占拠で人質経験
【サンパウロ=外山尚之】南米ペルーの国会は16日、就任から5日で辞職したメリノ前大統領の後任として、国会議員のフランシスコ・サガスティ氏(76)を次期大統領として指名した。同氏は在ペルー日本大使公邸占拠事件で数日間、人質となった経験を持つ。ペルーでは政治混乱が続いており、2016年の選挙以来、4人目の大統領となる。

国会の投票で次期大統領の就任資格を持つ国会議長にサガスティ氏を選出した。ペルーでは汚職疑惑が浮上したビスカラ元大統領が9日に罷免されたが、起訴されていない大統領を引きずり下ろす強引な議会運営に対し、国民の抗議活動が激化。衝突で死者が出たことを受け、10日に大統領に就任したメリノ氏が15日に辞職したばかりだった。
サガスティ氏は政治的に右派でも左派でもなく、ビスカラ氏の罷免に主体的に関与しなかったことから、足元の混乱を収束させるために選出されたとみられている。ペルーでは21年4月に大統領選が予定されており、サガスティ氏の任期は7月までとなっている。