米ホーム・デポ、建設資材卸を買収 9100億円
【ニューヨーク=白岩ひおな】米ホームセンター最大手ホーム・デポは16日、建設資材卸のHDサプライ・ホールディングスを買収すると発表した。買収額は約87億ドル(約9100億円)。かつてホーム・デポ傘下だったHDサプライを約10年ぶりに再統合する。新型コロナウイルス禍で成長する住宅関連の需要を取り込む。

ホーム・デポはHDサプライの発行済み株式1億5600万株を1株当たり約56ドルで全て取得する。13日のHDサプライ株の終値を約25%上回る水準で、総額は87億ドルに上る。手元資金から有利子負債を差し引いたネットキャッシュを計算に入れると、評価額は約80億ドルとなるという。買収発表後、HDサプライの株価は前週末比で一時25%上昇した。
北米やメキシコなどでホームセンターを展開するホーム・デポと、米国とカナダで住宅整備関連の卸を営むHDサプライの製品・サービスと流通網を組み合わせる。ホーム・デポのクレイグ・メニア最高経営責任者(CEO)は「買収を通じて、MRO(修理・整備)市場での売り上げの成長を加速させることができる」と述べた。
ホーム・デポは2007年、HDサプライを米投資会社カーライル・グループとベイン・キャピタル、クレイトン・デュビリエ&ライスの企業連合に売却した。当初は負債を含めて103億ドルの評価額だったが、住宅バブル崩壊の影響で売却価格は85億ドルに引き下げられた。13年にはHDサプライが株式を公開した。